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フロケ理論による光誘起物性現象へのアプローチ

日程 : 2022年4月28日(木) 12:15 pm - 1:15 pm 場所 : オンライン(Zoom) 講師 : 池田達彦 所属 : 物性理論研究部門 常次研 助教 主催 : 量子物質研究グループ 世話人 : 松永隆佑 (63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

概要:
近年のレーザーの高強度化により、固体における非線形かつ非摂動論的な光学現象の研究が進展している。微視的には、このような現象は強いレーザー電場で駆動された電子の運動に起因しており、摂動論を超えて電子の運動を解析する必要性が高まっている。このような方法の1つがフロケ(Floquet)理論[1]であり、レーザー電場の時間的に周期的に振動する特徴を用いて電子の運動(フロケ状態)を系統的に解析する方法を与える。
本発表ではフロケ理論を概説し、この理論に立脚してフロケ・エンジニアリング[2]や高次高調波発生などの非線形光学効果が統一的に把握できることを議論する。実際の実験においては強いレーザーはパルスで実現し、それゆえフロケ理論の仮定する時間周期性は近似的にしか成り立たない。しかしこのような状況下においてもフロケ状態は、瞬時的な状態基底として用いることでダイナミクスの理解に役立つ[3]。最後にこのようなフロケ状態の形成とダイナミクスを示唆する最新の実験[4]を紹介する。

[1] G. Floquet, Annales de l’École Normale Supérieure 12, 47 (1883).
[2] T. Oka and S. Kitamura, Ann. Phys. Cond. Mat. 10, 387 (2019).
[3] T. N. Ikeda, S. Tanaka, Y. Kayanuma, arXiv:2202.04973 (2022).
[4] K. Uchida et al. arXiv:2202.13315 (2022).

参加をご希望の方は、下記googleフォームよりご登録ください。
https://forms.gle/qoVNMcHryyCyLn5r8


(公開日: 2022年04月01日)