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テラヘルツ・中赤外光源開発とディラック半金属光制御への応用

日程 : 2022年2月24日(木) 12:15 pm - 1:15 pm 場所 : オンライン(Zoom) 講師 : 神田夏輝 所属 : 極限コヒーレント光科学研究センター 松永研究室 助教 主催 : 量子物質研究グループ 世話人 : 松永隆佑 (63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

概要:
テラヘルツ帯や中赤外域の光は、物質の低エネルギー応答の観測において重要なツールであるとともに、高強度電場により電子を強く加速したり低エネルギー素励起を大振幅に引き起こしたりすることで、物質を光制御し新たな機能性を見出すことが可能となる。本セミナーでは、松永研究室で進めている光源開発の紹介とともに、ディラック半金属Cd3As2に関する最近の研究成果について紹介する。
1 THz帯の高強度光源を用いた実験により、Cd3As2がディラック電子のコヒーレント加速によって高効率なテラヘルツ高調波を発生させることを見出した[1]。またマルチテラヘルツ帯と呼ばれる10-50 THz周波数帯の光源と分光技術の開発を行い[2]、Cd3As2の光学伝導度を複素量として30 fs以下の時間分解能で精密計測するシステムを開発した。これを用いたポンププローブ分光により、光励起キャリアによってマルチテラヘルツ帯の屈折率が1/5以下に急激に減少することを見出したほか[3]、周期的な強電場照射下においてフロッケ状態間共鳴とプラズマ振動に起因した巨大コヒーレント応答が現れることを発見した[4]。3次元ディラック半金属の円偏光励起によるフロッケ-ワイル半金属転換についても議論する。

[1] B. Cheng*, N. Kanda* et al., Phys. Rev. Lett. 124, 117402 (2020).
[2] N. Kanda et al., Opt. Express 29, 3479 (2021).
[3] N. Kanda et al., arXiv:2110.09689.
[4] Y. Murotani*, N. Kanda*, et al., arXiv:2112.13113.
*: equal contribution

参加をご希望の方は、下記googleフォームよりご登録ください。
https://forms.gle/kuoN2U7TsTuKjeEXA


(公開日: 2022年01月20日)