第2回量子-古典生命インターフェースセミナー
e-mail: inoue@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
情動(こころ)の適切な制御と、それに基づく意思決定は、個体の環境適応を支える根幹である。脳はその中枢であり、特に脳深部にある「前頭前野」は、外界情報、身体内部状態、そして過去の記憶を統合することで、情動や行動を制御する重要な神経回路基盤と考えられている。しかし、生体脳深部において神経活動を細胞分解能かつ大規模に計測することは技術的に困難であり、前頭前野における神経細胞集団ダイナミクスの実体は未解明だった。
そこで我々は、1)2光子神経活動イメージング、2)機械学習解析による大規模神経集団活動データの解読、3)屈折率整合プリズムの開発による脳深部観察の広視野・高解像度化、4)光遺伝学による高精細な細胞集団操作、など様々な技術を開発・融合することで、前頭前野神経回路による動的な情報処理原理の解明を進めている。本セミナーではこれまでの研究成果を紹介し、「神経細胞集団がどのような回路ダイナミクスにより記憶や情動などの高次脳機能を実現するのか」という、100年来続く脳科学の根源的課題について議論したい。
References (*, corresponding author)
・Agetsuma et al., Nature Neuroscience 2010; https://doi.org/10.1038/nn.2654
・Agetsuma* et al., Cerebral Cortex 2018; https://doi.org/10.1093/cercor/bhx169
・Agetsuma* et al., Nat Commun 2023; https://doi.org/10.1038/s41467-023-41547-5
・Agetsuma* et al., Neuromethods 2024; https://doi.org/10.1007/978-1-0716-4208-5_9
・Agetsuma* et al., Cell Rep Methods 2025; https://doi.org/10.1016/j.crmeth.2025.101010
・Takahashi … Agetsuma*, bioRxiv 2025; https://doi.org/10.1101/2025.05.30.657010
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