強磁場が切り拓くレーザー核融合プラズマの新展開
日程 :
2025年7月31日(木) 11:00 am - 12:00 pm
場所 :
オンライン(Zoom)
講師 : 藤岡 慎介 教授 所属 : 大阪大学レーザー科学研究所 主催 : 強磁場コラボラトリー 世話人 : 鳴海康雄(大阪大学)
e-mail: narumi@ahmf.sci.osaka-u.ac.jp講演言語 : 日本語
e-mail: narumi@ahmf.sci.osaka-u.ac.jp講演言語 : 日本語
核融合プラズマと磁場は不可分の関係である。国際熱核融合実験炉 ITER に代表される磁場閉じ込め方式では、強力な磁場を「かご」として用い、高温・高密度プラズマを長時間保持してエネルギーを取り出す。一方、レーザー核融合(ICF)の世界では、プラズマ圧が磁場圧をはるかに上回るため、長らく磁場は重要視されてこなかった。しかし近年、米国 NIF での点火・燃焼実証を契機に、電子やアルファ粒子のエネルギー輸送を強磁場で制御し、熱閉じ込めを強化する「磁化レーザー核融合(Magnetized ICF)」が脚光を浴びている。磁場により熱損失が抑制されれば、レーザーエネルギーからプラズマへの変換効率が飛躍的に向上し、フュージョンエネルギー実用化への道筋を大きく短縮できる可能性がある。本講演では、強磁場とレーザー核融合プラズマの相互作用を軸に、点火領域で期待される磁場効果の理論的背景、パルス電流コイルやレーザー駆動磁場などによる強磁場発生技術の進展、熱閉じ込めとアルファ粒子閉じ込めの実験的検証などの、最新の研究動向を概観したい。強磁場がもたらす次世代フュージョンエネルギー開発に向けた新たな展望と課題を共有したい。
(公開日: 2025年07月09日)