X線レーザーによるエキゾチックな物質状態の生成と応用
日程 :
2025年7月9日(水) 2:00 pm - 3:00 pm
場所 :
物性研究所本館6階 第4セミナー室 (A614)
講師 : 井上 伊知郎 所属 : 新領域物質系専攻 世話人 : 木村隆志 (63400)
e-mail: tkimura@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
e-mail: tkimura@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
X線と物質との相互作用は非常に弱く、X線計測は試料の状態を変えない「非破壊測定」として広く利用されてきた。しかし、X線自由電子レーザーの登場によって、物質中の電子励起や緩和と同程度の時間幅(フェムト秒)を持つ高強度X線パルスが利用可能となり、この前提は必ずしも成立しない状況が生まれている。本発表では、X線レーザーが引き起こす物質中の電子状態や構造の超高速変化 [1]について紹介する。また、この過渡的な状態変化を利用したX線光学素子の開発についても触れる[2]。最後に、大強度X線照射と無損傷計測を両立させるために行っている、アト秒X線自由電子レーザーを用いた研究[3]についても紹介したい。
[1] I. INOUE ET AL., PRL 126, 117403 (2021), PRL 128, 223203 (2022), PRL131, 163201 (2023), OPTICA 12, 530 (2025).
[2] I. INOUE ET AL, PRL 127, 163903 (2021), T. M. LINKER ET AL.,
ACCEPTED TO NATURE.
[3] I. INOUE ET AL., OPTICA 12, 309 (2025), ARXIV:2506.07968. J. YAN
ET AL., NATURE PHOTON. 18, 1293 (2024).
(公開日: 2025年06月26日)