パルス磁場中での磁気光学カー効果測定技術の開発と展望
日程 :
2025年4月18日(金) 11:00 am - 12:00 pm
場所 :
オンライン(Zoom)
講師 : 米澤 進吾 教授 所属 : 京都大学工学研究科 電子工学専攻 主催 : 強磁場コラボラトリー 世話人 : 松田 康弘
e-mail: ymatsuda@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
e-mail: ymatsuda@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
磁気光学カー効果とは物質表面における光の反射に伴って偏光状態が変化する効果である。これは光学領域でのホール効果ととらえることもでき、異常ホール効果と同様、磁化やバンドトポロジーのプローブである。類似の効果として、光の透過に伴う偏光の変化である磁気光学ファラデー効果が知られており、パルス磁場下での実験に既に使われている。
一方、磁気光学カー効果は、偏光の角度変化が最大でもミリラジアンのオーダーであり、ファラデー効果に比べて桁違いに小さくパルス磁場下での測定は挑戦的である。しかし、カー効果測定は、不透明な物質や薄膜などに適用できるという重要なメリットを持っているため、カー効果のパルス磁場下での測定が可能になれば、多くの対象物質に適用可能なパルス磁場下の有力な測定手法となりえる。
我々のグループでは、カイラル超伝導などの非自明な時間反転対称性破れ状態の検出を目指した超高感度の磁気光学カー効果の測定手法を導入してきたが、現在この手法をパルス磁場下の測定に拡張する研究を行っている。最近、2msec程度のパルス磁場下において強磁性体の磁気光学カー効果の測定に成功した。本発表ではその現状を紹介するとともに将来展望を議論したい。
(公開日: 2025年04月08日)