我々は、SACLAにおいてタンパク質構造解析手法の一つであるシリアルフェムト秒結晶構造解析の技術開発に取り組み、X線自由電子レーザーと光励起による反応開始とを組み合わせることにより、光励起性タンパク質がプロトン輸送する過程を原子レベルで“動画”のように捉えることに成功した。この手法はその時間分解能から、これまで原子分解能で追うことのできなかった化学反応などの早い反応の追跡に適している。本発表では、我々が取り組んできた分子動画解析の技術開発と実際の解析例について紹介すると共に、東北大学キャンパス内に設立された次世代放射光施設NanoTerasuにおける生命科学系利用についてもご紹介する。