新物質開発・システム創成研究の最前線:分子・クラスターがもたらす物性と機能
e-mail: yokamoto@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
近年、新物性や新機能を開拓する研究の対象となる固体物質やシステムは、大きな広がりを見せている。なかでも、分子やクラスターから構成される物質は、分子やクラスター内の設計自由度と、固体中でこれらがどのように組みあがるかという配列や相互作用など分子やクラスター間の自由度、さらには分子系およびクラスター系薄膜や薄結晶を利用してシステムとする階層性の自由度を兼ね備える。そのため、これらの組み合わせにより新しい物質や材料が無数に合成され、それに基づいたシステムも構築されて多彩な物性・機能が発現する舞台となる。近年では例えば、キラリティー、極性、トポロジー、分子運動性、発光性等を有する低分子、オリゴマー分子、超分子、金属錯体、金属有機構造体(MOF)、ファンデルワールス結晶などの薄膜や結晶を用いて、非相反な超伝導や、キラル分子や結晶によるスピン偏極現象、分子ローター強誘電性、円偏光発光異方性、エキゾチックな励起子物性、新機構の有機トランジスタや有機ELといった、多彩な物性の発見や機能の実現が相次いでいる。一方で、このような自由度の高さを考慮すると、我々はそのポテンシャルのごく一部しか引き出せていない可能性が高い。
本研究会では、分子やクラスターをキーワードとする有機物から無機物に至る幅広い物質系を対象として、新物性や新機能の発現を見据えた物質・システム開拓研究を行う第一線の研究者・若手研究者にご講演いただく。このような話題は、化学、材料、物性、機能性といった各分野で個別に話されることが多い。異分野の研究者が一堂に会し、今後の方向性を真摯に議論するにより、物性や機能発現にとって核となる要素を参加者が把握し、各々の遂行する物質・物性研究に役立てられるようにするとともに、新物質やシステム開拓研究の将来を展望する機会とする。
組織委員
芥川 智行 (東北大学)、草本 哲郎 (大阪大学)、瀧宮 和男 (東北大学)、山本 浩史 (分子科学研究所)、井手上 敏也 (東京大学)、岡本 佳比古 (東京大学)、高木 里奈 (東京大学)、三輪 真嗣 (東京大学)、森 初果 (東京大学)、山浦 淳一 (東京大学)
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研究会のウェブサイト:
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