表面界面スペクトロスコピー2023
表面・界面は、最近注目されているトポロジカル物質の表面状態など学問的な観点からだけでなく、物質変換・エネルギー変換の舞台であるがために、地球環境・エネルギー・情報分野における課題解決につながる触媒・太陽電池・燃料電池・二次電池・各種デバイスなど応用面でも重要性が増している。実験手法および第一原理計算の進歩により、理想的なモデル表面だけでなく、実際の材料における動作環境下での表面界面を局所的にオペランド観測することも可能になってきた。また、表面界面では細部に物性や機能発現の本質が存在することが多く、それらを原子・分子スケールで観測し理解することができるようになってきた。 「表面界面スペクトロスコピー研究会」は、表面・界面の物理的・化学的性質を分光学的に探求する実験および理論の研究者が集まり、全参加者が集中的に議論することで、最新の研究についての情報交換、問題意識の共有をはかることをねらい、年1回開催されてきた。表面振動分光、局所プローブ顕微/分光、表面非線形分光、光電子分光、放射光分光など、表面・界面に敏感で選択的な分光実験や理論研究を中心とした最新の研究成果の講演(招待講演と一般講演)およびポスター発表を通じて、多様なバックグラウンドを持つ研究者が討論を通して相互に理解し、新たな共同研究が生まれることを目的としている。
今回のワークショップでは以下のチュートリアル講演と招待講演を予定している。
・チュートリアル講演A(2023/12/20 am):松永隆祐(東大物性研)「テラヘルツ分光の基礎と固体の高速ダイナミクス研究」(50+10分)
・チュートリアル講演B(2023/12/20 am):井手上敏也(東大物性研)「対称性制御によるファンデルワールス結晶界面の物性開拓」(50+10分)
・招待講演1(2023/12/20 am):稲垣 泰一(慶応大理工)「分子シミュレーションによる不均一界面系の反応解析と分光計算」(40+5分)
・招待講演2(2023/12/21 am):熊谷崇(分子研)「探針増強ラマン分光による原子・分子スケールの構造とダイナミクスの探索」(40+5分)
・招待講演3(2023/12/21 pm):長谷川修司(東大理)「量子物質表面の構造・電子状態・電子輸送」(40+5分)
また、一般口頭発表、学生賞応募口頭発表、ポスター発表を募集する。会議の詳細および参加登録については、以下のウェブサイトを参照してください。
https://yoshinobu.issp.u-tokyo.ac.jp/ISSPWS_SIS2023.html
備考 : チュートリアル講演と招待講演は日本語です。一般口頭発表・学生賞応募講演・ポスター発表では、英語での記述を推奨します。英語講演も可能です。