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新奇d電子系物質の開拓

日程 : 2022年6月23日(木) 13:30 〜 場所 : ZOOM開催(事前登録を下記リンク先にてお願い致します) 講師 : 岡本 佳比古 氏 所属 : 東京大学物性研究所 世話人 : 岡隆史 中島多朗講演言語 : 日本語

銅酸化物高温超伝導体の発見に代表されるように、新奇な電子物性や革新的な電子機能を示す結晶性物質の発見は、固体物理学の新時代を拓き続けてきたといっても過言ではありません。講演者はそのような新奇物質の発見を目指して、d電子が電子物性の主役となる遷移金属化合物を主な対象として、①特徴的な結晶構造・電子構造への着眼、②各種データベースを活用した横断的な物質探索、③様々な合成手法を駆使した試料合成、を組み合わせた物質開拓を行うことにより、高性能熱電変換材料、幾何学的フラストレート物質、トポロジカル物質、熱体積機能性材料、新超伝導体など、様々な興味深い電子物性・機能を示す“新物質”を見出してきました。本講演では、講演者が挙げてきた研究成果のうち、パイロクロア酸化物CsW2O6における正三角形分子形成と、低温で高い性能を示す熱電変換材料候補Ta4SiTe4を中心に紹介します。CsW2O6d電子のスピン・軌道・電荷自由度、幾何学的フラストレーション、強いスピン軌道結合と電子相関といった様々な要素を併せもつ物質であり、これがユニークな分子形成現象として現れました[1]。Ta4SiTe4は、低温で高い熱電変換性能を示しますが、これには一次元ファンデルワールス結晶のディラック電子系という、本物質の有する特徴的な結晶構造と電子構造が役立っています[2-4]。談話会では、講演者が今後取り組む新物質開拓の方針についても説明いたします。

[1] Y. Okamoto et al., Nat. Commun. 11, 3144 (2020).
[2] T. Inohara et al., Appl. Phys. Lett. 110, 183901 (2017).
[3] Y. Okamoto et al., Appl. Phys. Lett. 112, 173905 (2018).
[4] Y. Okamoto et al., Appl. Phys. Lett. 115, 043901 (2019).

【講師紹介】

岡本先生は令和4年4月に物性研附属物質設計評価施設に着任されました。特異な量子現象・革新的な電子機能を示す結晶性固体の新物質探索、新奇d電子系物質の開拓、際立った電子物性を示す物質開拓手法の確立について研究されています。本講演では、岡本先生の研究成果のうちパイロクロア酸化物CsW2O6における正三角形分子形成と、低温で高い性能を示す熱電変換材料候補Ta4SiTe4を中心としたご紹介と、今後取り組む新物質開拓の方針についてご講演いただけるものと思います。是非皆様ご視聴ください。

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(公開日: 2022年06月04日)