沼南高等学校にて水素の出張授業を実施
物性研究所では、理科教育、社会貢献の一環として学校、科学館等へ講師を派遣する出張授業を行っています。
10月13日、千葉県立沼南高等学校にて物性研の餅田円氏が高校3年生を対象に「水素エネルギー」をテーマに出前授業を行いました。同高校では、環境をテーマとした課題研究を通して、環境問題を専門的に勉強していける力を身につけることを目的とした「環境学」という科目を設けており、今回は、その授業の一環として行いました。
授業の前半では、2016年度一家に1枚ポスター「水素」を見ながら、水素そのものの構造や性質など、水素の基本知識を確認します。そして気体としての水素の特徴を、空気を構成する他の気体と比較、実験しました。後半はエネルギーをテーマに、今使われているエネルギー源のメリット、デメリットをまとめ、一人ずつどのエネルギー源を使いたいかを考えました。原子力が良いという意見、火山のエネルギーを使う、どれが良いか決められない、など率直な意見が出ました。実験では、グループに分かれて水を水素と酸素に電気分解させ、次にその水素を燃料電池で電気エネルギーに換えてミニカーをモーターで動かしました。そして、今現在進められている水素社会に向けた取り組みとして、水素ステーションと太陽光発電、燃料電池を組み合わせたコンビニの運営など、社会実証実験の事例を示しました。最後に、水素社会のために解決しなければならない課題と、現在行われている水素製造、貯蔵の研究事例を紹介しました。
参加した生徒からは、「水素が世の中にどういう影響を及ぼすのかが分かり、とても楽しかった」「水の電気分解と燃料電池の実験が、本当にモーターが動いたのがおもしろかった」などの声が寄せられました。