永盛寛之氏(森研M2)が第18回分子科学討論会の分子科学会優秀ポスター賞を受賞
森研究室修士課程2年の永盛寛之氏が第18回分子科学討論会(京都)2024の分子科学会優秀ポスター賞を受賞しました。この賞は、9月18日〜21日に京都大学にて開催された第18回分子科学討論会(京都)2024におけるポスター講演において優秀な発表を行った分子科学会会員の学生へ授与されるものです。
受賞対象となった発表は「EDOT系オリゴマー伝導体における熱電効果」です。
高分子伝導体と低分子伝導体の境界領域に位置するオリゴマー伝導体は、基礎研究から応用研究まで網羅できる物質群として注目されています。特に優れた電気伝導性と熱電特性を示すPEDOT [poly(3,4-ethylenedioxythiophene)]系をモデルとしたEDOT系オリゴマー伝導体について、森研究室では研究を推進してきました。
永盛氏は、モット絶縁体から、半導体、金属性を示すEDOT系オリゴマー伝導体[1]について、その電子構造の違いに着目して系統的に熱電特性を調査しました。その結果、電子構造を反映して熱電能の符号が3量体塩までは正、4量体塩では負と変化すること、また、室温において金属相と絶縁体相の境界に位置する3量体塩が従来の有機伝導体からすると非常に良い熱電特性(パワーファクター)を示すことを明らかにしました。オリゴマー伝導体の熱電効果を系統的に探索することにより、有機材料の熱電効果の理解と開発の進展が期待されます。これらの業績が評価され、同賞の受賞に至りました。
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(公開日: 2024年11月07日)