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菊地帆高氏(益田研D3)が日本物理学会学生優秀発表賞を受賞

附属中性子科学研究施設 益田研究室D3の菊地帆高氏が日本物理学会(領域10)の学生優秀発表賞を受賞しました。この賞は、日本物理学会春季大会で口頭発表を行った大学院生又は学生会員の優秀な発表に対し、授与されます。授与式は4月27日、オンラインにて行われました。

受賞対象となった発表タイトルは「高効率三軸分光器HODACAの現状」です。

中性子三軸分光器は1960年代に開発されてから現在に至るまで磁性体や誘電体などのダイナミクス研究に対して、汎用的かつ重要な分光器としての地位を築き上げてきました。近年世界的に中性子三軸分光器において幅広い波数空間での効率的測定が可能な多重型三軸分光器が活躍し始めています。一方日本では、東日本大震災以降10年間、研究用原子炉が停止していたため、分光器の進歩が停滞していました。

高効率三軸分光器HODACA
高効率三軸分光器HODACA

そこで本研究では茨城県東海村にある研究用原子炉JRR-3に新しいタイプの多重型三軸分光器HODACAを開発および建設しました(写真)。さらにHODACAを用いて典型的な磁性体の磁気励起を測定しました。その結果HODACAによって正確に磁気励起が測定でき、従来の三軸分光器を大きく上回る測定効率を有することを示しました。

HODACAは日本初の多重型三軸分光器であり、日本の中性子分光器開発に影響を与えることが期待されます。また、HODACAを使用した研究によって物質科学研究の発展への貢献が期待されます。

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(公開日: 2023年05月09日)