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三輪真嗣准教授が矢崎学術賞の奨励賞を受賞

三輪真嗣准教授が2020年度矢崎学術賞の奨励賞を受賞しました。財団法人矢崎科学技術振興記念財団は矢崎総業株式会社の創業40周年に際して「未知への挑戦」 と「地域社会への還元」を基本理念として貫いた創業者社長の矢崎貞美の遺志を具現するために設立され、科学技術の研究開発を助成しその普及と振興を図り、もってわが国産業の発展と国民の福祉増進に寄与しようとするものです。矢崎学術賞は過去に研究助成を受けた研究者の中から、優れた業績をあげたものに対して贈られます。授賞式は3月4日に行われる予定でしたが、新型コロナウイルス感染状況に鑑み中止となりました。

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受賞対象となった研究は「界面磁性の電界変調に関する研究」です。ナノサイズの磁性体、すなわち磁石を利用するエレクトロニクスはスピントロニクスと呼ばれています。三輪氏は不揮発性磁気メモリMRAMの研究に資するために界面磁性の電界変調を用いたスピントルク効果の機構解明に注力しました。本研究では巨大な電界効果の実現に向けた知見を得るため分子線エピタキシー法による原子層成長技術を駆使した高品質デバイスと放射光X線磁気円二色性分光を融合させた独自研究を展開し(図)、新機構を見出して電解効果を増強させるための材料設計指針を明確にしました。上述の研究ではFeやPtといった単純金属多層膜を用いましたが、最近では量子物質と呼ばれる新奇材料を用いたスピントロニクス研究も推進しています。量子物質研究の例としてカイラル反強磁性体Mn3Snにおける新奇スピントルク効果の研究があります。

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(公開日: 2021年03月11日)