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長谷川舜介(益田研D2)氏、日本中性子科学会ポスター賞を受賞

益田研の長谷川舜介氏が、日本中性子科学会第20回年会ポスター賞(磁性・強相関・構造物性分野)を受賞しました。11月9日から11日まで日本中性子科学会第20回年会がオンライン開催され、そこでポスター発表された約50件の中から優秀な者が選ばれ、本賞が授与されました。

受賞した長谷川氏
受賞した長谷川舜介氏

受賞対象となった発表は「マルチフェロイック物質Ba2MnGe2O7における軌道混成音響マグノン」です。
スピン由来のマルチフェロイック物質においては、スピン軌道相互作用によって、スピン以外の自由度と強く混成した磁気励起の存在が知られています。しかし、それらの励起エネルギーは比較的高いため、バルクの磁気特性との関係性は議論されてきませんでした。そこで長谷川氏は、マルチフェロイック物質Ba2MnGe2O7において、中性子非弾性散乱による低エネルギー磁気励起とバルク磁化測定によるスピンフロップ磁場の温度依存性を詳細に測定しました。磁気異方性ギャップが磁気モーメントではなく電気分極でスケールされることを見出し、音響マグノンが軌道と強く混成した非自明な励起であることを明らかにしました。この結果は、簡便なバルク磁気特性測定により非自明な磁気励起の存在を予見できることを示しており、マルチフェロイック物質の研究に新たな方向性を与えることが期待されます。

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(公開日: 2020年12月02日)