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小林 鮎子氏(大谷研D1)がNPSCS2020の優秀ポスター賞を受賞

大谷研究室の小林鮎子氏(D1)が、2月3日に柏の葉カンファレンスセンターで行われた、新学術領域ナノスピン変換科学の国際学会 New Perspective in Spin Conversion Science (NPSCS2020)にて、優秀なポスター発表をした学生に授与されるBest Poster Award for Young Researcherを受賞しました。

大谷教授と小林氏

大谷義近 教授(左)と受賞した小林鮎子氏(右)

受賞対象となった、発表タイトルは「非共線反強磁性Mn3Sn薄膜における輸送特性」です。

次世代のスピントロニクスを担う重要な材料として反強磁性体が非常に大きな注目を集めています。反強磁性体は磁化をもたないことから漏れ磁場による素子間の干渉が起こらず、強磁性体よりも3桁以上速い動作性能を示します。近年、非共線カゴメ格子構造を有する反強磁性体六方晶Mn3X (X=Sn, Ge, Ga)で巨大な異常ホール効果等が、室温かつゼロ磁場で観測されています。これらの現象はMn3Xの持つ非共線スピン構造による時間反転対称性の巨視的な破れ、運動量空間における巨大なベリー曲率に関係したものであると考えられています。スピン構造に由来した多彩な輸送特性を研究する一つの手段として、薄膜試料を用いスピン構造を制御することがあげられます。本研究ではスパッタリング法を用いてSi/SiO2基板上に作製したMn3Sn多結晶薄膜を用い、様々な温度条件下において、磁気輸送特性を測定しました。その結果、特定の温度下で磁気構造由来の非従来型磁気輸送特性が観測され、新規性が評価されました。

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(公開日: 2020年03月04日)