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元所員、甲元眞人氏が仁科記念賞の受賞決定

受賞した甲元 眞人氏
受賞した甲元 眞人氏

物性研究所元所員(在籍1988年~2015年)である甲元眞人氏が、2017年度の仁科記念賞を受賞することが決まりました。この賞は、日本の現代物理学に大きな功績を残した仁科芳雄博士を記念し、原子物理学の基礎とその応用の分野において優れた研究業績をあげた研究者を表彰するものです。

2016年のノーベル物理学賞は「トポロジカル相転移と、物質のトポロジカル相の理論的発見」に対して、デイビット・サウレス、マイケル・コステリッツ、ダンカン・ハルデーンの三氏に与えられました。このように重要なテーマに対して、甲元氏は大きな貢献を行いました。特に、ノーベル賞の授賞対象の一つになった量子ホール効果のトポロジカルな理論は、サウレス氏、甲元氏を含めた4名の著者の頭文字をとって「TKNN理論」と呼ばれています。

TKNN理論では、ある条件下でホールの伝導度が量子力学的な定数e2/hの整数倍となることを示しました。その後、甲元氏は単著論文で、この整数が数学的な「トポロジカル不変量」であることを明確に示しました。この業績は、ノーベル賞委員会による2016年ノーベル物理学賞の解説でも触れられており、その重要性は世界的に認められています。

これらの業績に対し、仁科記念賞を運営する仁科記念財団は「TKNNの著者の一人であり、トポロジカル量子現象を扱う理論的な枠組みを与えた甲元氏は、トポロジカル量子物性物理学の創始者の一人として、その基礎を築き物性物理学に新たな研究舞台を切り拓いた。」と評価しています。

2016年のノーベル物理学賞、およびそれに関連する甲元氏の業績についてのより詳細については以下もご参照ください。
押川正毅 2016年度ノーベル物理学賞「トポロジカル相転移と、物質のトポロジカル相の理論的発見」 物性研だより 56巻第3号p. 1-9 (2016)


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