ISSP - The institute for Solid State Physics

Organization
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山室研究室
教授
山室 修
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本研究室では複雑凝縮系の化学物理を研究している。現在の主な対象は、ガラス・過冷却液体、水およびその関連物質、イオン液体、水素吸蔵金属ナノ粒子である。ガラス転移は液体が構造変化を起こさずに固化する不思議な現象であり、物性物理学の長年の大問題の一つである。水は最も身近な物質の一つであるが、水素結合が織りなす様々な特異物性を示す。イオン液体では、静電力とファンデルワールス力の競合から、ナノドメイン構造や階層的ダイナミクスが現れる。金属ナノ粒子中の水素原子は、表面効果によりポテンシャル面が歪められるため、バルクでは見られない特異な構造やダイナミクスを示す。これらの物質に対して、中性子散乱、X線回折、熱容量、誘電緩和などを測定し、構造・ダイナミクス・熱力学の3視点から、複雑な物質に内在する単純(?)な法則を明らかにすることを目指している。

パラジウム重素化物ナノ粒子(PdD0.36)の中性子回折パターンとリートベルト解析結果。ナノ粒子の表面付近では、D原子は正8面体サイト(バルクではこのサイトのみ)だけでなく正4面体サイトにも存在することが分かった。
イオン液体C8mimTFSIの緩和マップ。これらの緩和時間は3台の分光器による中性子準弾性散乱実験により決定された。4つの異なる緩和モードが1 psから100 nsの広い時間領域に存在している。

研究テーマ

  1. ガラス転移、ボゾンピークなどの不規則凝縮系のダイナミクス
  2. 水および関連物質(含水多孔性結晶など)の構造とダイナミクス
  3. 常温イオン液体の熱力学的性質とダイナミクス
  4. 水素吸蔵固体の熱力学的性質とダイナミクス