Home >  ニュース > 加藤研の玉谷知裕氏、第13回日本物理学会若手奨励賞(領域5)を受賞

加藤研の玉谷知裕氏、第13回日本物理学会若手奨励賞(領域5)を受賞

受賞した玉谷知裕特任研究員
受賞した玉谷知裕特任研究員

物性研究所加藤研究室の玉谷知裕特任研究員が、第13回日本物理学会若手奨励賞を受賞、3月15日に九州大学伊都キャンパスで開催された日本物理学会年次大会にて授与されました。この賞は将来の物理学を担う優秀な若研究者の研究を奨励し、学会をより活性化するために設けられているものです。

2018年度(第13回)の領域5光物性分野から受賞者の一人として玉谷氏が選ばれました。受賞対象となったのは「固体における高次高調波発生機構の解明(Elucidation of mechanisms of high-harmonic generations in solids)」です。

近年、光物性の領域では、高強度テラヘルツ光によって実現される電子の極端な非平衡状態に関する研究が大きな関心を呼んでいます。その中でも特に注目を集めているのが固体を用いた高次高調波発生の研究です。玉谷氏はこの高強度物理現象を理解するために、「時間とともに変化するバンド構造」という新たな概念を包括する理論模型を構築し、これまでの光物性とは異なる観点から本現象に対する知見を得ることに成功しました。さらに玉谷氏はその考え方を基礎として、これまでにない新奇な高次高調波の性質を予言し、見事実験で検証されました。これらの独創的、創造的な視点から考案された新しい光物性の見解を示したことが評価され、今回の受賞に至りました。

対象論文:

  • “Diabatic Mechanisms of Higher-order Harmonic Generation in Solid-state Materials under High-intensity lectric Fields”, Phys. Rev. Lett, 116, 016601 (2016).
  • “Higher-order harmonic generation caused by elliptically polarized electric fields in solid-state materials”, Phys. Rev. B 94, 241107(R) (2016).
  • “High-harmonic generation in graphene enhanced by elliptically polarized light excitation”, Science 356, 736 (2017).

関連ページ

(公開日: 2019年03月19日)