テラヘルツパルスを用いた超伝導集団励起の研究
日程 :
2018年1月25日(木) 4:00 pm - 5:00 pm
場所 :
物性研究所本館6階 大講義室(A632)
講師 : 松永 隆佑 氏 所属 : 東京大学物性研究所極限コヒーレント光科学研究センター 世話人 : 談話会委員:杉野 修 ・ 長谷川 幸雄
e-mail: danwakai@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
e-mail: danwakai@issp.u-tokyo.ac.jp講演言語 : 日本語
近年のパルスレーザー技術の進展によって、テラヘルツパルスを用いて物性物理において重要な低エネルギー(~meV)領域を詳細に探索することが可能になった。テラヘルツ帯の電磁応答を時間分解検出することで、物質の非平衡状態の超高速ダイナミクスの研究が新たな展開を見せている。さらにテラヘルツ電場の高強度化が進んだことで、これまで隠されていた物質の性質が非線形応答を通して明らかにされるとともに、高速の電磁場によって物質の性質そのものを人為的にコントロールする道が開かれつつある。
この講演では我々が進めてきた、超伝導体の秩序パラメーターの振動モード、いわゆるヒッグスモードに関連した、超伝導体テラヘルツ制御の研究を紹介する[1]。テラヘルツ技術を巧みに用いることで、対称性の破れに付随した普遍的な集団励起モードの研究が実現した。時間があれば銅酸化物超伝導体を光で強励起したときに現れる特異な準安定相をテラヘルツ時間分解測定で発見した最近の研究も紹介したい[2]。
[2] K. Tomari, R. Matsunaga et al., arXiv:1712.05086 [cond-mat.supr-con].
【講師紹介】
松永先生は2011年に京都大学大学院で学位を取得し、東京大学大学院の助教を経て昨年7月に准教授(極限コヒーレント光科学研究センター)に着任されました。 現在は超高速ダイナミクスの研究やテラヘルツ測定系の開発で活躍されています。
談話会委員:杉野 修(63290)、長谷川 幸雄(63325)
(公開日: 2018年01月05日)