Home >  研究会等 > 広帯域誘電分光による水和タンパク質ダイナミクスの評価

広帯域誘電分光による水和タンパク質ダイナミクスの評価

日程 : 2019年9月30日(月) 14:00 - 15:30 場所 : 物性研究所本館6階 第一会議室 (A636) 講師 : 山本 直樹 氏 所属 : 自治医科大学 医学部 生理学講座生 物物理学部門 世話人 : 井上圭一
e-mail: inoue@issp.u-tokyo.ac.jp

タンパク質は溶媒である水の絶え間ない熱揺らぎの中で機能していることから、タンパク質とその近傍に存在する水和水の相互関係を動的挙動の観点から理解することは重要です。私たちは、リゾチームやバクテリオロドプシンなどのモデルタンパク質を用いて、そのダイナミクスが水和量や温度に対してどのような影響を受けるかを、誘電分光を用いて調べてきました。複素誘電率スペクトルには、分子の回転や振動成分が含まれており、そのスペクトル成分解析を行うことで、タンパク質と水和水のダイナミクスを評価することができます。これまで私たちは、タンパク質と水和水がカップルした回転緩和が主なスペクトル成分であること[1]、また水溶性タンパク質と膜タンパク質ではタンパク質表面と水和水の相互作用形態が異なること[2]、などを明らかにしてきました。これらの結果を元に、水和とタンパク質機能発現の関係について議論します。

[1] Naoki Yamamoto, Kaoru Ohta, Atsuo Tamura, Keisuke Tominaga “Broadband Dielectric Spectroscopy on Lysozyme in the Sub-Gigahertz to Terahertz Frequency Regions: Effects of Hydration and Thermal Excitation” J. Phys. Chem. B 2016, 120, 4743-4755

[2] Naoki Yamamoto, Shota Ito, Masahiro Nakanishi, Eri Chatani, Keiichi Inoue, Hideki Kandori, Keisuke Tominaga “Effect of Temperature and Hydration Level on Purple Membrane Dynamics Studied Using Broadband Dielectric Spectroscopy from Sub-GHz to THz Regions” J. Phys. Chem. B 2018, 122, 1367-1377

                         関係所員:井上圭一


(公開日: 2019年09月03日)