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スピン吸収法で測定されたCo2MnGaのside-jump機構によるスピンホール効果

日程 : 2021年12月23日(木) 12:15 pm - 1:15 pm 場所 : オンライン(Zoom) 講師 : 一色弘成 所属 : ナノスケール物性研究部門 大谷研究室 主催 : 量子物質研究グループ 世話人 : 松永隆佑 (63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

概要:
スピンホール効果はスピン-軌道トルクの発現に不可欠な純スピン流の生成に利用できるため、スピントロニクスにおいて要となる現象である。そのため、効率的なスピンホール効果を示す物質の探索が長年行われてきた。最近、バンド構造のベリー曲率に起因する巨大な異常ホール効果・異常ネルンスト効果を示すワイル強磁性体Co2MnGaにおいて、大きなスピンホール効果が報告された[1]。しかし、その発現メカニズムは未解明である。
本研究では、L21構造とB2構造が混在したCo2MnGaの正・逆スピンホール効果を、非局スピンバルブ素子を用いたスピン吸収法によって測定した。先行研究[1]とは異なり、熱効果による信号を取り除くと、正・逆スピンホール効果の間にオンサーガの相反関係が成り立つことがわかった。そのスピンホール角は室温でθ = -0.5という巨大な値になるが、温度が下がるにつれて急激に小さくなり50 K以下ではほぼゼロになる。現象論的な解析の結果、この非常に特徴的な温度依存性を示すCo2MnGaスピンホール効果は、主として外因性機構のside-jump機構によって生じていることがわかった。
[1] L. Leiva et al., Phys. Rev. B. 103, L041114 (2021).

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(公開日: 2021年12月03日)