齋藤成之氏(板谷研究室)が国際会議ALPS’17のBest Student Oral Paper Awardを受賞
2017年5月9日
4月18日から21日までパシフィコ横浜(横浜市)で開催されたThe 6th Advanced Lasers and Photon Sources (ALPS’17)において、板谷研究室D1の齋藤成之氏がBest Student Oral Paper Awardを受賞しました。
ALPS’17は、国際的なシンポジウムOPTICS & PHOTONICS International Congressのレーザー部門の専門会議で、レーザー学会による主催で毎年開催されています。今回は130名以上の参加があり、発表の中から特に優秀な学生発表6件に対してBest Student Oral Paper Awardが授与されました。
受賞対象となった講演題目は”Attosecond streaking of chirp-free high harmonics in the extreme ultraviolet driven by a long-wavelength infrared light source”です。
化学反応や光応答反応の素過程や、物質の機能発現の起源を調べるため、ごく短い時間幅を持った光が使われています。その中でアト秒(100京分の1秒)は、現在利用できる最も短い時間幅の光として、世界中で開発が進められています。従来、アト秒分光にはチタンサファイアレーザー(波長800 nm)の高次高調波が主に用いられてきましたが、齋藤氏らはより長波長の光パラメトリック増幅器 (波長1700 nm)を用いてアト秒高次高調波を発生させ、その時間波形測定を初めて成功させました。
長波長の光源は軟X線(100-2000 eV)高次高調波発生が可能であることから注目されており、今回の結果は軟X線領域におけるアト秒科学につながる重要な成果といえます。