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宮田敦彦氏(嶽山研究室特任研究員)が第6回強磁場フォーラム三浦奨励賞を受賞

宮田敦彦氏

 国際超強磁場科学研究施設嶽山研究室(日本学術振興会特別研究員PD)の宮田敦彦氏が第6回強磁場フォーラム三浦奨励賞を受賞しました。この賞は、三浦登東大名誉教授からの貴重な御醵金を受け、強磁場中における物性測定や強磁場発生に関する技術開発において、新しい着想で優れた成果をあげた若手研究者を奨励する目的で設けられたものです。

 受賞対象となった研究は「極限超強磁場下での磁気光学的手法を用いたクロムスピネル酸化物の研究」です。

 宮田氏は、電磁濃縮法装置を用いて発生した極限超強磁場環境下における精密な磁気光学測定システムを構築し、世界でかつて誰も成功していない超強磁場(600 T)かつ液体ヘリウム温度(4.6 K)での測定データを得ることに成功しています。そして、この装置を用いて、幾何学的フラストレーションが非常に強いとされる酸化クロム亜鉛(ZnCr2O4)の磁性解明に取り組みました。これにより、400 Tの飽和磁場に至るまでに6つの磁気相が存在することを突き止め、この多彩な磁気相の出現には、格子の自由度が寄与していることを明らかにしました。今後、この実験手法により幾何学的フラストレーションのもたらす特異な磁気現象が明らかになっていくと期待されています。この研究成果が高く評価され今回の受賞となりました。

 授賞式は2012年11月27日の第9回強磁場フォーラム総会にて行われました。

(公開日: 2012年11月30日)