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松田(巌)研の伊藤俊氏、USD10にてYoung Researcher Poster Awardを受賞

授賞式の様子 時間分解光電子分光の大家であるHöfer先生とAeschlimann先生から受賞者に賞状が贈られました。両先生は長年日本との交流が深く、また今年還暦になられることから赤いちゃんちゃんこと帽子をプレゼントされていました。
授賞式の様子
時間分解光電子分光の大家であるHöfer先生(右端)とAeschlimann先生(左端)から受賞者に賞状が贈られました。両先生は長年日本との交流が深く、また今年還暦になられることから赤いちゃんちゃんこと帽子をプレゼントされていました。

松田(巌)研究室D2の伊藤俊氏が、6月11日〜16日にかけてドイツのインツェルで開催された超高速現象の国際学会The 10th International Symposium on Ultrafast Surface Dyanmics (USD10)にてYoung Researcher Poster Awardを受賞しました。これは、超短パルスレーザーによる物質表面での超高速ダイナミクス研究に特化した会議であり、フェムト秒(10-15秒、千兆分の1秒)時間分解光電子分光・電子回折、テラヘルツ時間領域分光、そしてアト秒(10-18秒、百京分の1秒)パルス発生などの幅広いトピックで第一線の研究者が一同に会しました。ポスター発表は約50件あり、その中から3名がポスター賞に選ばれました。

受賞した発表タイトルは”Photo-induced ultrafast potential shift observed at a metal-semiconductor interface of a Bi thin film”です。

物質表面・界面における光誘起のポテンシャルシフトは、光誘起起電力として古くから知られています。その動的な性質もナノ秒〜マイクロ秒の時間領域で詳しく調べられてきました。光誘起のポテンシャルシフトの解明には、さらに速いフェムト秒〜ピコ秒での振る舞いが重要と考えられる一方、未だ報告も少なく、未解明の領域です。伊藤氏らは、辛研究室との共同研究によりゲルマニウムとビスマスの界面で時間分解光電子分光を行い、ピコ秒領域の光誘起ポテンシャル変化が存在することを実験的に示すとともに、モデルをもとに超高速のポテンシャルダイナミクスが駆動される機構を議論しました。

光誘起起電力は光エレクトロニクスデバイスを駆動する基本原理であり、今回の結果は起電力が生じる最も初期の過程を捉えた点で、超高速デバイスへの応用につながる重要な成果と言えます。


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(公開日: 2017年06月27日)