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Toughening mechanism of polymeric materials

Date : Thursday, October 21st, 2021 4:00 pm - 5:00 pm Place : Online (Zoom) Lecturer : Koichi Mayumi Affiliation : ISSP of the University of Tokyo

高分子材料は金属材料やセラミックスなどの無機材料に比べると力学強度は劣るとされてきたが、ナノ・分子レベルでの構造制御により高分子材料の機械強度は飛躍的に向上しつつある。高強度高分子材料は、その組成に応じて、ゲル・ゴム・樹脂などに分類され、高強度ゲルは体内に埋め込む人工関節や人工血管などの医療材料として、高強度ゴムはソフトロボット用の素材や免振ゴムなどの建築材料として、高強度樹脂は車・飛行機などの構造材料としての応用が期待されている。
本講演では、高強度ゲル開発の20年の歴史を振り返り、代表的な高強度ゲルとして、可逆架橋を有する自己修復性ゲル、環状分子で架橋された環動ゲルの強靭化メカニズムについて説明する。また、我々の最近の成果として、可逆な伸長誘起結晶化による自己補強ゲルの開発について紹介する。自己補強ゲルは、従来の高強度ゲルでは不可能であった強靭性と復元性を両立した世界初の高強度ゲルであり、大きな負荷が繰り返し加わるような人工靭帯・関節などへの応用が期待されている。さらに、高分子ゲルの強靭化手法をゴム・樹脂材料に適用した事例についても紹介する。我々の研究室では、JRR-3の中性子小角散乱装置SANS-Uおよび中性子スピンエコー装置iNSEの全国共同利用を推進しており、中性子散乱を用いた分子構造・ダイナミクス計測による高分子材料の強靭化機構解明についても今後の展望を述べる。

【講師紹介】
眞弓先生は令和2年11月に物性研中性子科学研究施設に着任され高分子・ソフトマターを対象にして、中性子散乱法による構造・ダイナミクス解析に基づいた物性発現機構の解明について研究されています。
講演では、高強度ゲル開発の20年の歴史を振り返り、代表的な高強度ゲルとして、可逆架橋を有する自己修復性ゲル、環状分子で架橋された環動ゲルの強靭化メカニズムについてご紹介頂けるものと思います。ぜひ皆様ご視聴ください。

参加希望の方は以下からご登録ください。
https://forms.gle/Tb5rfULNunFpCPtH6


(Published on: Thursday October 7th, 2021)