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第34回 極限コヒーレント光科学セミナー 「有機薄膜のレーザー光電子分光」

日程 : 2015年12月25日(金) 10:30 〜 場所 : 物性研究所本館6階 第一会議室 (A636) 講師 : 宗像 利明 所属 : 大阪大学大学院理学研究科化学専攻 世話人 : 辛 埴 (63380)
e-mail: shin@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

有機デバイスの機能性は電極と分子膜の界面での電荷伝達と中性励起状態からの電荷分離で発揮される。このため、界面の電子状態と電荷ダイナミクスを知ることは機能性の理解に不可欠である。ここでは、フェムト秒レーザーを光源とした2光子光電子(2PPE)分光法による非占有準位の観測を報告する。2PPE分光法では励起光で電子を非占有準位に励起し、検出光で光電子放出を行う。光電子のエネルギーから非占有準位のエネルギーを知ることができる。励起光と検出光に遅延時間を設けることで励起電子の変化をフェムト秒時間分解能で測定できるのは大きな特徴である。2PPE分光で明らかになってきた有機薄膜での電子励起過程と緩和過程に注目するが、特に、基板と分子の間の相互作用が光励起過程に与える影響を考察する。また、光源がレーザーなので、照射スポット径を回折限界まで絞ることができる。有機薄膜はしばしばドメイン構造を作って成長するのでサブマイクロメートル分解能での顕微測定は分子の配置と電子状態の相関を明らかにするのに重要である。


(公開日: 2015年12月03日)