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放射光セミナー「NSRRCにおける強相関電子系物質の共鳴X線非弾性散乱研究-Sr3NiIrO6とBi2212-」

日程 : 2015年5月7日(木) 10:30 - 11:30 場所 : スプリング8中央管理棟テレビ会議室(TV会議 物性研第一会議室) 講師 : 岡本 淳 氏 所属 : 台湾放射光研究センター 世話人 : 和達 大樹 (63400)
e-mail: wadati@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

共鳴X線非弾性散乱(Resonant Inelastic X-ray Scattering = RIXS)は、入射X線のエネルギーを特定の元素の吸収端に合わせることで、対象とした軌道状態が関係する励起スペクトルを測定する手法である。格子や電子自由度の素励起や、中間状態での軌道間電子励起を観測できるため、強相関電子系物質の電子構造解析で重要な成果をあげている。近年の放射光技術の進歩に伴い軟X線領域でのエネルギー分解能がCu L3端で130 meVまで向上したことで、3d遷移金属化合物を対象とした研究が着目されている。
我々のグループは、軟X線領域と硬X線領域を対象とした高エネルギー分解能RIXS研究を、各々Taiwan Light Source(TLS)BL05A1とSPring-8 BL12XUを利用して行っている。
本講演では、擬一次元構造を持つ反強磁性Ir酸化物Sr3NiIrO6の、Ir L3端RIXSを用いたIr 5d電子構造と磁気励起の研究について述べる。
軟X線RIXSについては、最近行ったBi2212のCu L3端RIXSでの入射エネルギー依存性を用いた低エネルギー励起スペクトルの研究について述べる。
最後に、現在第一期建設が進められている1.3 GeV放射光施設Taiwan Photon Source(TPS)での軟X線RIXSステーションと研究展開について紹介する予定である。


(公開日: 2015年04月16日)