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三次元分子解像度の1分子蛍光顕微鏡

日程 : 2017年4月26日(水) 2:00 pm - 3:00 pm 場所 : 物性研究所6階第2会議室 講師 : 藤芳 暁 所属 : 東京工業大学大学院 物性物理学専攻 世話人 : 吉信淳 (63320)講演言語 : 日本語

人類は400年にわたり多種多様な顕微鏡を発明してきた。しかし、その中に生命現象がおこっている細胞内部の三次元情報を分子レベルで観ることができるものはない。たった一つの生命現象にも、無数の分子が関わっており、その実体を知るには細胞内部で何が起こっているのかを正確に観察するが必須がある。そこで、我々はこの十年間、対物レンズの独自開発から研究をはじめ、合計20台のクライオ蛍光顕微鏡を開発してきた[1-5]。ごく最近、極限的な光学性能を持ち、0.05 nmのイメージ安定性を持ったクライオ蛍光顕微鏡の開発に成功した。この顕微鏡により、生体染色色素の三次元位置をオングストロームの精度で1分子観察することに成功した。これは既存法の精度よりも1ー2桁高く、分子を見分けられる精度である。セミナーでは、上記の成果に加えて、光活性化酵素の1分子分光[1,3]、再構成したミ二光合成系の1分子分光[4]、タンパク質の赤外1分子観察法の開発[2]などの研究成果についても紹介する予定である。

References
[1]S. Fujiyoshi, et al., Phys. Rev. Lett. 100, 168101, (2008)
[2]S. Fujiyoshi, et al., J. Phys. Chem. Lett. 1, 2541, (2010)
[3]S. Fujiyoshi, et al., Phys. Rev. Lett. 106, 078101, (2011)
[4]D. Uchiyama, et al., Phys. Chem. Chem. Phys. 13, 11615, (2011)
[5]H. Inagawa, et al., Sci Rep 5, 12833, (2015)


(公開日: 2017年04月19日)