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軟X線発光分光の動向とSPring-8における最新の成果

日程 : 2015年5月7日(木) 16:00 - 17:00 場所 : 物性研究所本館6階 大講義室(A632) 講師 : 原田 慈久 所属 : 東京大学物性研究所極限コヒーレント光科学研究センター 世話人 : 山下 穣・加藤 岳生講演言語 : 日本語

現在世界中で中型高輝度放射光源の建設ラッシュが始まっており、最も輝度を活かすことのできる分光手法として”軟X線発光分光”に注目が集まっている。軟X線発光分光を用いると、物質を構成する元素ごとに、化学結合状態を選別して価電子の状態密度分布を与えることができる。軟X線の脱出深度は物質表面から数10nm~数100nm程度であるため、表面が変化しやすい物質におけるバルク敏感なプローブとしても、逆に入射角をうまく使えば表面敏感なプローブとしても使うことができる。また電場・磁場等の外場下で測定できる、絶縁体など帯電しやすい物質でも測定できるなど、測定環境に対する圧倒的な自由度があることも特長である。物性研究所は、1990年台初頭より、高エネルギー分解能化、偏光の利用、軟X線用CCDの利用、溶液系への展開と、世界をリードする形で軟X線発光分光分野を切り拓いてきた。本講演では、SPring-8 BL07LSU東大放射光アウトステーションで展開する超高分解能軟X線発光分光のプロジェクトについて紹介し、高輝度光源を視野に入れた近未来の研究戦略について展望を述べたい。


(公開日: 2015年04月30日)