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多端子ジョセフソン接合におけるワイル特異点の操作とトポロジカル相転移の制御

日程 : 2021年11月11日(木) 2:00 pm - 3:00 pm 場所 : ZOOM開催 (セミナーへのzoom linkは下記のgoogle formにて登録後に表示されます) 講師 : 横山 知大 氏 所属 : 大阪大学大学院基礎工学研究科 世話人 : 加藤 岳生、阪野 塁
e-mail: sakano@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

ジョセフソン接合は、超伝導体間の位相差が物理量に現れる、量子力学の最も重要な研究対象の1つである。接合を3つ以上の超伝導体に拡張した多端子ナノ構造の場合、物理量は2つ以上の位相差の全てに対して周期的である。我々は接合の準粒子状態が位相差空間においてエネルギーバンドを形成するとみなすことで、この多端子接合を人工物質として提案する。特に、そのバンドにワイル特異点が創発することを明らかにした[1]。多端子ジョセフソン接合におけるワイル特異点の検出[2]や、回路化による特異点創出[3]、量子ビットへの応用[4]などが提案されているが、特異点が発現されるナノ構造の具体的な条件など、未解明な課題が多く残されている。本研究では、ナノ構造に量子ポイントコンタクト構造などによる電子伝導制御を想定することで、ワイル特異点の発現条件や発現するパラメータ領域、トポロジカル相の相転移を議論する。トポロジカル相転移はワイル特異点の対消滅・対生成を伴う。ナノ構造の場合、広い外部パラメータ制御が可能であり、ゲート電圧や外部磁場によるワイル特異点の移動、周期的な対消滅・対生成が可能である。その際、ゲート電圧の領域に応じて、2つの特異点による対消滅・対生成と、4つの特異点が関与した対消滅・対生成が得られる。さらに、後者は第一ブリュアン領域の特異点のみが関与する場合と隣接するブリュアン領域の特異点も寄与する場合に分類される。これらの特徴は新たなトポロジカル相の分類を示唆し、「動的なトポロジー」の分類という概念を提示する。

[1] T. Yokoyama and Yu. V. Nazarov, PRB 92, 155437 (2015).
[2] R.-P. Riwar, et al., Nat. Commun. 7, 11167 (2016).
[3] V. Fatemi, A. R. Akhmerov, and L. Bretheau, PR Research 3, 13288 (2021).
[4] Y. Chen and Yu. V. Nazarov, PRB 103, 045410 (2021).

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(公開日: 2021年11月01日)