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弱強磁性体オルソフェライトにおけるスピン再配列転移のコヒーレント制御とスピノイズ分光

日程 : 2021年7月21日(水) 12:15 pm - 1:15 pm 場所 : オンライン(Zoom) 講師 : 栗原貴之 所属 : 極限コヒーレント光科学研究センター 板谷研究室 主催 : 量子物質研究グループ 世話人 : 松永隆佑 (63375)
e-mail: matsunaga@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

反強磁性体におけるマグノンダイナミクスはテラヘルツ(THz)帯域に達し,典型的な強磁性体の歳差運動に比べて1-2桁近く高いことから,超高速のスピントロニクスデバイス応用への期待が高まりつつある。希土類オルソフェライト(RFeO3,R=希土類)はこうしたサブTHzのマグノン周波数を持つ典型的なキャント型反強磁性体であり,超短パルスレーザーやテラヘルツ波を用いた磁気制御のプラットフォームとして2010年前後から盛んに研究が行われている。
オルソフェライトを特徴づけるのはスピン再配列転移である。オルソフェライトは内部の希土類電子系の状態に応じて磁気異方性が大きく変化し,特定の温度領域において磁気秩序の配列方向が温度に応じて回転する。この再配列転移領域では外場に対する敏感性が高まり,比較的小さな光強度でも大きな磁気的応答を示す。また,ポテンシャルが大きくソフトニングすることから,有限温度による熱揺らぎの影響が観測可能なまでに増大する。
今回のセミナーでは,こうしたスピン再配列転移に際して生じるサブTHz帯域のスピンダイナミクスの観測と,光によるその制御に関する最近の研究を紹介する。

[1] T.K. et al., Phys. Rev. Lett. 120, 107202 (2018)
[2] J. Lu et al., Phys. Rev. Lett. 118, 207204 (2017)
[3] G. Fitzky, TK, et al., Submitted (2021)

参加をご希望の方は、下記googleフォームよりご登録ください。
https://forms.gle/zY7a74DzDDcv5NTw6


(公開日: 2021年06月25日)