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栗原貴之助教(板谷研)が第18回日本物理学会若手奨励賞の受賞者に決定

板谷研究室の栗原貴之助教は、第18回日本物理学会若手奨励賞(領域5)の受賞が決まりました。この賞は将来の物理学を担う優秀な若手研究者の研究を奨励し、日本物理学会をより活性化するために設けられたものです。2024年開催の第79回日本物理学会年次大会にて授賞式が行われる予定です。

受賞対象となった研究は「テラヘルツ・中赤外における非線形マグノニクスと分光手法の開拓」です。

磁性体において、ピコ秒からフェムト秒といった超高速時間スケールでスピンダイナミクスを観測するための強力な方法として、光パルスを照射する方法が知られています。栗原氏は、その中でもテラヘルツや中赤外といった長波長領域の光を積極的に活用したスピン制御と観測に関する研究を開拓しました。これらの光は可視~近赤外光に比べてフォトンエネルギーが小さいことから、電子励起による加熱が少なく非熱的なスピンダイナミクスを共鳴的に励起できることが利点です。長波長領域の中でも、テラヘルツ波による光誘起スピン再配列転移の対称性制御、中赤外パルスを用いた瞬間的な磁気異方性制御、テラヘルツ波パルスによるマグノン2次高調波の観測といったスピン系の非線形ダイナミクスに関する先駆的な研究、およびそれらを実現した新規な分光技術の開発が評価され、同賞の受賞に至りました。

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