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機能物性セミナー「人工細胞膜系における膜内2次元ドメインの構造・物性・反応性」

日程 : 2016年10月14日(金) 11:00 - 12:00 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 手老 龍吾 所属 : 豊橋技術科学大学 世話人 : 吉信淳 (63320)講演言語 : 日本語

両親媒性分子である脂質の二分子層膜、いわゆる脂質二重膜は細胞膜をはじめとする生体膜の基本構造である。細胞膜は生命活動に必要な物質・情報・エネルギーなどの全てを細胞内外でやり取りする反応場としての役割を担っている。これらの反応においては膜内の脂質やタンパク質の集合体が反応の制御に関わっていると考えられており、分子拡散や2次元ドメイン形成といった反応素過程を理解することは膜輸送反応の機構を理解するために重要である。固液界面に形成される支持脂質二重膜(supported lipid bilayer)は人工細胞膜モデル系の1つである。我々は原子間力顕微鏡による微細構造観察と、蛍光一分子追跡法による分子側方拡散性の計測を相補的に用いることによって、ナノメートル~マイクロメートル領域の構造観察と流動性計測、またこれらが生体由来の脂質膜やタンパク質との反応にどう関わるかについて研究を進めている。本講演では脂質二重膜のサブミクロン領域での脂質および膜タンパク質のドメイン構造とその動的過程、またこれらへの固体基板表面の関わりについて、最近の成果を紹介する。


(公開日: 2016年09月26日)