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蛍光・化学発光タンパク質プローブの開発と生命科学研究への応用

日程 : 2016年11月14日(月) 13:30 〜 場所 : 物性研究所本館6階 第一会議室 (A636) 講師 : 永井 健治 氏 所属 : 大阪大学 産業科学研究所 世話人 : 秋山 英文 (6-3385)
e-mail: golgo@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

蛍光タンパク質を利用した蛍光ライブイメージング技術の発展によ り、生理機能を生きたまま可視化する事が可能になった。また、超解像顕微鏡技 術などの顕微鏡技術の発展も近年著しい。我々が開発した弱い光により光速に 光 スイッチングが可能な蛍光タンパク質Kohinoor(コヒノール)を用いて生体 に優 しいナノスコピックイメージングが実現可能となった1。しかしながら、 サンプ ルへの光毒性や自家蛍光といった問題は励起光照射が不可避である以 上、原理的 に解決することはできない。このような状況の中で、ホタルに代表 される生物発 光を用いたライブイメージングに注目が集まりつつある。生物発 光は蛍光と違 い、外部からの励起光を必要としないため自家蛍光や生物個体に 対する光毒性・ 光応答を回避する事ができる。生物発光の蛍光に対するこのよ うな優位性は以前 から認識されていたものの、放出するフォトン数が少なく数 十分もの長時間露光 が必要なため、これまでライブイメージングには使用され てこなかった。しかし ながら近年、我々の開発した高光度発光タンパク質 Nano-lantern2とその波長変 異体3、さらにはその増強型であるeNano-lantern を利用することで化学発光での ライブイメージングが可能となった。本セミ ナーではNano-lanternおよびそれを ベースとする Ca2+, cAMP, ATPなどの各種 指示薬の開発、さらに光照射による細 胞機能の操作技術、特に光増感を利用し た生理機能の不活性化法5とその生命科 学研究への応用6,7について最近の知見 を紹介し、合わせて蛍光、発光イメージ ングの展望について議論したい。


(公開日: 2016年11月11日)