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光合成で働く光化学系IIタンパク質の活性中心Mn4Caクラスターの価 数決定

日程 : 2016年3月18日(金) 10:00 - 11:00 場所 : 物性研究所本館6階 第一会議室 (A636) 講師 : 梅名泰史氏 所属 : 岡山大学大学院自然科学研究科付属光合成研究センター 世話人 : 原田 慈久,秋山 英文 (63385)
e-mail: golgo@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

光合成の水分解・酸素発生を担う光化学系IIタンパク質(PSII)の活
性中心にはMn4Caクラスターが触媒として存在している。Mn4Ca クラスターはIV
価とIII価の混合原子価状態で存在しており、光化学反応によって高められた酸
化力で水を分解している。2011年、好熱性らん 藻由来PSIIの1.9 Å分解能の結晶
構造から初めてMn4Caクラスターの詳細な分子構造が明らかになった(Y.Umena,
et al,Nature, 2011)。しかし、4つのMn原子それぞれの価数については、結晶
や理論計算による立体構造、X線吸収や電子スピン共鳴などのスペクトル分析か
ら様々な 議論が続いている。今回、MnのK-吸収端波長X線を使った結晶構造解
析手法によって、各Mn原子の電子状態を解明する研究について紹介する。タ ン
パク質の立体構造と活性中心金属の電子状態を同時に知ることで、酵素反応をよ
り物理化学的に解明できるものと期待される。


(公開日: 2016年02月25日)