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理論セミナー:超効率的なカオスモンテカルロ計算ー相関の可制御性と、物理計算への応用についてー

日程 : 2016年6月17日(金) 16:00 - 17:00 場所 : 物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615) 講師 : 梅野 健 氏 所属 : 京都大学大学院情報学研究科, 東京大学物性研究所 世話人 : 川島 直輝 (63260)
e-mail: kawashima@issp.u-tokyo.ac.jp
講演言語 : 日本語

全てのモンテカルロ計算法の基礎には、エルゴード性がある。
が, 一乱数の相関の特性によってその計算スピードは異なる。
用いる乱数の相関が弱く、中心極限定理が成立する状況では、
誤差分散が, 計算ステップ数Nに対してO(1/N)となる通常の
振る舞いをするが、相関が無視できない乱数を用いる場合、
中心極限定理が成立しない状況ー誤差分散がO(1/N2)に収束する
超効率的なモンテカルロ計算が可能であることーを, 1998年講演者に
よって発見された。その計算原理自体は、まだ新しく、一部の工学の
分野(例:米国の携帯電話チップメーカーである
Qualcomm社のC-A. Yang , UCLAのKung. Yao)で用いられてきたが
メトロポリス法等のモンテカルロ法の本家となる物理分野では
用いられてこなかった。
本講演では、その誤差分散がO(1/N2 )となるメカニズムを、混合性を持つ
乱数の相関の可制御性から説明し、物性理論分野の”新しい”
超効率モンテカルロ計算法の構築につながるかという問題提起をし、
議論したい。


(公開日: 2016年06月07日)