四極子秩序とd波超伝導
日程 :
2017年6月28日(水) 4:00 pm 〜
場所 :
物性研究所本館6階 第5セミナー室 (A615)
講師 : 服部 一匡 先生 所属 : 首都大学東京理工学研究科物理学専攻 世話人 : 中辻 知講演言語 : 日本語
強相関電子系における軌道自由度はd、f電子系において90年代から活発に研究が行われており、様々な新奇物質の発見や新しい現象の提案が行われている。本講演では最近四極子近藤格子系として注目を集めているPr1-2-20系の四極子秩序を念頭に、これまでに行った理論研究とモンテカルロ法を用いた有効古典模型に対する解析を紹介する[1]。また最近の研究として、多軌道系における反強磁性フント結合や異常に大きな軌道間相互作用が、局所的な高エネルギー状態の積分から自然に導出されることを議論する。
具体例として、Pr1-2-20系物質に関連した立方晶の2軌道ハバード模型について、乱雑位相近似を用いて解析を行った。四極子や八極子の秩序の他に、種々の超伝導が発現するが、その対称性が2体の結晶場準位と強い相関を持っていることを見出した[2]。講演では、四極子の秩序を扱うときの注意点についても丁寧に議論する予定である。
[1] KH and H. Tsunetsugu, J. Phys. Soc. Jpn. 83, 034709 (2014), 85,094001 (2016). [2] KH, T. Nomoto, T. Hotta, and H. Ikeda, unpublished.(公開日: 2017年06月21日)