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瀧川研究室・超高圧実験室と冨士ダイス株式会社の共同研究が超硬工具協会の技術功績賞を受賞

  冨士ダイス株式会社 研究員の和田 光平 氏を中心とするグループの研究成果が本年度の超硬工具協会の技術功績賞を受賞しました。この研究は、本研究所の新物質科学研究部門 瀧川研究室 超高圧実験室(担当職員:後藤 技術専門職員)と行った共同研究の成果です。この賞はその年に開発された超硬工具材料・製品において①新規性(独創性)、②協会に対する啓発度の2項目に関して特に優れた成果を挙げた研究者に対して贈られる賞です。

  受賞対象となった研究は、「高強度低Ni超微粒超硬合金TMS05の開発」です。本研究では、これまでのWC-Co系超微粒超硬合金の開発の結果得られた粒成長抑制手法と新たに発明した特殊処理による製造方法を使って、従来は困難であった「10%以下という少量のNiをバインダーとして用いて、高強度の超微粒超硬合金を開発」する事に成功しました。この合金は非磁性という特徴を持っていますが、そればかりでなく、従来のNi系超硬合金と比べても高い圧縮強度と耐摩耗性を有しています。この特徴を生かして、高圧力下での中性子回折実験等を行う際の高圧発生装置の部品や高圧容器として、あるいは、耐食性、非磁性等の特性が必要となる耐摩耗製品として使用される事が期待されています。現在、新開発の合金はTMS05として製品化されており、上記の用途に使用され始めています。これら成果が高く評価され、今回の受賞となりました。

  授賞式は、平成25年1月11日東京都千代田区丸の内の銀行倶楽部にて行われました。

(公開日: 2013年03月22日)