MegaGauss seminar
Date :
Friday, September 25th, 2015 3:00 PM - 4:00 PM
Place :
Meeting Room 1 (A636), 6th Floor, ISSP
Language in Speech : Japanese
放物線形のエネルギー分散を持つ電子系に対するサイクロトロン共鳴には相互作用効果が現れない。この事実は Kohn の定理として知られている。しかし、グラフェンに代表される Dirac 電子系(線形のエネルギー分散を持つ二次元電子系)には、この Kohn の定理を適用できないので、サイクロトロン共鳴に電子間相互作用の効果が現れる。
本講演では、グラフェン系のサイクロトロン共鳴に現れる多体効果を、少数電子系の数値的対角化で調べた結果について説明する。まず、単層グラフェン系については、N=0 のランダウ準位から N=1 のランダウ準位への遷移に対応するサイクロトロン共鳴にほとんど多体効果が現れず、Kohn の定理が近似的に成立しているとみなせることが分かった。その一方で、N=-1 からN=2 への遷移に対応するサイクロトロン共鳴には相互作用効果が現れる。時間に余裕があれば、二層グラフェン系に対する結果についても述べたい。
(Published on: Monday September 7th, 2015)