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Effect of pressure on the physical properties with development of high pressure apparatus

Date : Thursday, September 24th, 2015 11:00 AM - 12:00 PM Place : Lecture Room (A632), 6th Floor, ISSP Lecturer : Yoshiya UWATOKO Affiliation : Division of Physics in Extreme Conditions, ISSP Committee Chair : Minoru YAMASHITA, Takeo KATOLanguage in Speech : Japanese

最近、圧力効果の研究を多くの研究会で良く目にする様になった。私が学生の頃は一部の研究者の特殊技術による研究であると思われていた。しかし、1990年代後半、安価で取り扱いの容易なピストンシリンダー型圧力装置で3GPaを超える圧力が手軽に発生出来る様になった。この技術革新により、多くの研究者が高圧力下の物性研究を行える様になり、この分野の研究が飛躍的に進歩してきている様に思われる。
 圧力効果の利点は、物質の構成元素を変えること無く原子間距離(相互作用)を変えられることに尽きる。もちろん距離は縮まる方向だけで、伸びる方向は特殊な場合を除いて実現しないが、大体1GPaあたり1%程度の割合でボリュームが減少する。この程度の体積変化に対して、最も顕著な変化が現れる物理現象の一つが近藤効果である。f電子を1-2個持つ希土類化合物において、近藤効果と磁気秩序の競合を圧力によりコントロールすることにより、その臨界領域で超伝導を始めとした興味深い物性現象が出現する。ここ十数年Ce化合物を始めとした多くの興味深い現象が様々な物質で報告されてきている。
 研究室ではこの様な圧力誘起の新奇物性現象を発見すべく、装置開発と共に研究を重ねてきた。高みに登るとより広く見渡せるが如く、より高い圧力を精度良く容易に発生させることにより、多くの物質や物性現象が研究対象となり、様々な新奇物性を発見出来る機会が多くの研究者に増えると期待される。最近、装置に飛躍的進歩のあったCubic Anvil圧力装置を用いた研究により興味深い現象を見つけることが出来た。講演では、最近得られた軌道秩序近藤物質PrTi2Al201)や遍歴強磁性体MnP2)の興味深い圧力下での物性現象について議論すると共に装置の現状を紹介したい。
1) K. Matsubayashi, et.al., Phys. Rev. Lett., 109, 187004, 2012.
2) J.G. Cheng, et.al., Phys Rev Lett, 114, 117001, 2015.


(Published on: Thursday September 17th, 2015)