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Functional Materials Seminer: Non-Gaussian glassy dynamics of cells and other active systems

Date : Monday, November 28th, 2016 3:00 PM - 4:00 PM Place : Seminar Room 5 (A615), 6th Floor, ISSP Lecturer : Daisuke MIZUNO Affiliation : Faculty of Science, Kyushu University Committee Chair : Hiroshi NOGUCHI (63265)
e-mail: noguchi@issp.u-tokyo.ac.jp
Language in Speech : Japanese

私たちの体を形成する細胞や組織は、柔らかい物質(ゲルやコロイド、脂質膜等のソフトマター)からなる。これらの物質は、熱エネルギー程度の微弱な相互作用によってメソスケールの構造を形成するため、外場の印加やわずかな力学的エネルギーの注入によりその特性を大きく変化させる。生き物の最小単位である細胞の多くの活動は、こうした柔らかい生体物質がモーター蛋白質により力学的に駆動されることで営まれるが、系の非平衡性や非線形性のために、その特性が決定される機構に関しては不明な部分が多い。
私達は、非平衡状態に駆動された生体のモデル系として、”モーター蛋白質や遊走微生物により駆動されたゲル”を作製し、マイクロレオロジーと呼ばれる手法を用いてこれらのゲル内部で自発的に生じる揺らぎと力学応答を観測するための技術開発を推進してきた。その結果、これらのモデル系では熱平衡系における統計物理学の基本定理である揺動散逸定理[1,2]や中心極限定理[3]が破れていることを見出した。本講演では、こうした基本定理の破れの観測手法とその定量的解釈について述べ、非平衡系としての生体力学研究に実験面から寄与する今後の展望について議論する。

<参考文献>
[1] D. Mizuno, C. Tardin, C. F. Schmidt, and F. C. MacKintosh, Science 315, 370 (2007).
[2] D. Mizuno, R. Bacabac, C. Tardin, D. Head, and C. F. Schmidt, Phys. Rev. Lett. 102, 168102 (2009).
[3] Irwin Zaid, D. Mizuno, Phys. Rev. Lett. 117, 030602 (2016)


(Published on: Friday November 4th, 2016)