誤差の影響と補正
どんな装置を作る場合も、完璧には作れないものである。磁石を出来るだけ正確に並べようと思ってもある程度はずれてしまうし、磁石の製作精度も存在する。また、電流を流して磁場を正確に励磁しようと思っても、計算では QD =(L =.3 K1=-.691457890618 ) と果てしない桁まで数字が求まっても、現実にそんな桁で電流は制御できない。^_^; ここでは、加速器を作る際に生じるいくつかの代表的な誤差(下記)について、その影響と補正を考える。
電磁石の据え付け誤差、強さの誤差、回転誤差の影響と補正。
据え付け誤差
N極磁石の据え付け誤差の影響は、N−2極磁石成分を生じることである。
偏向磁石……2−2=0 (が理由というわけではないが……)ほとんど効かない。
4極磁石……4−2=偏向磁石 たちが悪い。垂直方向、水平方向ともに、分散関数の発生源となる。
6極磁石……6−2=4極磁石 たちが悪い。垂直方向、水平方向ともに、チューンがずれて、OPTICSが崩れる。
4+6の組み合わせ……偏向磁石+4極磁石 4極で発生した分散関数が、6極で適当に発散集束されて、吹っ飛ぶ。
強さの誤差
偏向磁石……エネルギーがずれる。磁場が徐々に変化する場合は、位相安定性があるので加減速が行われるだけ(加速器からすると)である。
4極磁石……チューンがずれる。非常にひどいとOPTICSが崩れるが、そこまでひどいことは、まずない。
6極磁石……色収差がずれる。まあ、たいしたことではない。
回転誤差
いずれも skew (ひねった成分)が発生するので、垂直方向と水平方向にカップリングが生じる。ビームサイズが変化する。
Updated on Wednesday,28,July,1999
SOR施設加速器部門