合わせれば、ビームラインや実験施設の数は、十分ではないにしてもかなりのことができると思っています。
4つの施設を組み合わせて協力すれば、真空紫外・軟X線領域の全てのエネルギーをカバーできます。しかも、
老朽化が進んでいるはずのUVSORやPFは、施設側の努力による改造により、海外のリングに引けを取らなく
なっています。
今回、東京大学放射光連携研究機構が進めようとしているいわゆる「アウトステーション計画」はこの様な、
各放射光施設の資産を最大限に利用して、真空紫外・軟X線領域の科学を推進しようとするものです。この
アウトステーション計画については、このニュースレターの中に尾嶋機構長の方から詳しい説明があります。
具体的なことはこれから決めないといけませんが、私は、この計画は、時代にタイムリーであり、現状にも合った
計画と考えています。本懇談会としては、このアウトステーションを今年度以降の活動の中心に置きたいと考え
ています。この方針については、先日行われた懇談会幹事会によって支持されました。詳しくはその議事録を
ご参照ください。
高輝度光源計画は、これまで様々な局面があり、実現寸前まで行ったと言われた時期もありました。しかし、
今更、惜しかったことを行っても仕方がありません。様々な事情や理由にかかわらず、高輝度光源計画が推進
できなかった理由の一つに、他分野の人達に、この分野のサイエンスの有用性を説得できなかった事が大きな
理由の一つだと思っています。このまま現状を放置すると、サイエンスの遅れはますます決定的になってしまい
ます。こういう状況になった現在、高輝度光源建設を横目でにらみながらも、真空紫外・軟X線領域のサイエンスの
有用性を極める事が我々の世代に課せられた課題であると思っています。
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