記念シンポジウム1「強相関電子系の新展開」

日時:平成19年11月29日(木)午前10時〜午後6時
場所:柏キャンパス、物性研究所6階大講義室

シンンポジウム「強相関電子系の新展開」プログラム案

9:50-10:00  挨拶 上田 所長

第1セッション「分子系」  
10:00-10:30  鹿野田 一司 
「有機導体に見る強相関電子系の物理学」
10:30-11:00  宇治 進也 
「π−d系有機導体の新展開:BETS系の磁場誘起超伝導 とFFLO状態」
11:00-11:30  森 初果 
「チェッカーボード型電荷秩序相をもつ有機導体の超伝導 および非線形伝導」

11:30-13:00  昼食

第2セッション「遍歴系」 
13:00-13:30  今田 正俊 
「量子相転移」
13:30-14:00  北岡 良雄 
「多層系高温超伝導体における超伝導と反強磁性の協奏」
14:00-14:20  廣井 善二 
「パイロクロア酸化物における新奇な物性開拓」
14:20-14:30   小休憩
14:30-15:00  倉本 義夫 
「多極子秩序と脆弱な遍歴電子」
15:00-15:30  榊原 俊郎 
「重い電子系超伝導体のギャップ構造を探る」
15:30-15:50  芳賀 芳範 
「超ウラン化合物で実現する重い電子系超伝導」

15:50-16:10  休憩

第3セッション「スピン系」  
16:10-16:40  木村 剛 
「マルチフェロイクス -スピンが誘起する強誘電性-」
16:40-17:10  押川 正毅 
「多粒子系としての量子スピン系」
17:10-17:30  川島 直輝 
「モンテカルロ法による量子多体系の探求」
17:30-17:50  瀧川 仁 
「強磁場・高圧下の量子スピン系」
17:50- 閉め 

18:00-20:00  前夜祭(懇親会) カフェテリア  

 
記念シンポジウム2「物性研究所ー過去・現在・未来ー」

日時:平成19年11月30日(金)午前10時〜午前11時30分
場所:六本木 政策研究大学院大学 想海樓ホール

・物性研究所の歴史と現状  上田和夫(物性研究所所長)
・物性研究所の将来計画   家泰弘(物性研究所将来計画委員長)
・物性研究所に望む
  物理学会より      鹿児島誠一(東京大学教授)
  物性コミュニティより  倉本義夫(東北大学教授)
  共同利用から      秋光純(青山学院大学教授)
 
パネルディスカッション「これから50年の科学は?」

日時:平成19年11月30日(金)午後13時〜午後15時
場所:六本木 政策研究大学院大学 想海樓ホール

パネリスト
  小宮山 宏  (東京大学総長)
  佐倉  統  (東京大学大学院情報学環教授)
  吉田  博  (大阪大学産業科学研究所教授)
  北澤 宏一  ((独)科学技術振興機構理事長)
  中村 桂子  (JT生命史研究館館長)
  茂木 健一郎 (ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員)
司会進行
  柴山 充弘  (物性研究所教授)

パネルディスカッション「これから50年の科学は?」へ参加ご希望の方は、こちらのページより参加申し込みをお願いいたします。

主旨説明

物性研究所は、昭和32年(1957年)に、当時立ち遅れていた我が国の物性分野の研究設備・体制を国際的水準に高める拠点とする目的で、東京大学附置全国共同利用研究所として設立されました。その後、先端的技術を開発し世界に伍する物性物理学の拠点となることを目指した第2世代を経て、平成8年には、伝統的な固体物理学の枠組みを超える研究を展開し物質科学の総合的・国際的研究所としての働きを担うために改組を行い、平成12年には、43年間活動を展開した六本木キャンパスから柏新キャンパスに全面移転し、現在に至っています。

物性研究所が六本木で産声を上げた頃、科学そして科学技術は未曾有の勃興期にありました。アインシュタインの記念碑的3論文より約50年、桁違いに進歩した実験技術、物理学者の手慣れた道具となった相対論、量子力学によって量子電磁力学が生まれ、巨大加速器が次々と作られ、科学はそのフロントを急激に広げていました。DNA構造の解明によって生物学はビッグバンの状態にあり、物性科学ではエサキダイオードでトンネル効果が発見され今日のエレクロニクス社会の扉を開き、超伝導現象がBCS理論によって解明されたのも同じ時期でした。科学技術の面では、日本の観測隊が南極に到達し、初の人工衛星が宇宙時代の幕開けを告げていました。多くの人が科学と社会のベクトルが一致していると考えていた時代でした。

それから半世紀、科学の進展や科学を取り巻く環境の変化は著しいものがあります。科学技術がもたらした益”の一方で科学や技術の害というものが公然と叫ばれるようになり、環境破壊や近代兵器によるテロがその代表であるかのように言われています。また、科学技術のばら色の未来”が語られる一方で 科学も進みすぎてもう進歩の余地がない、科学の終焉といったことも取り沙汰されるようになりました。50年前は、「科学者は自分の科学のことだけ考えていれば良い」という雰囲気もありましたが、現在では、否応なく経済のグローバリゼーションや地球環境、持続的社会といった問題とは無縁ではありえず、「純粋な知的好奇心に基づいて研究をしていればよい」ではすまされなくなっています。また、ますます細分化され相互の関わりも見えにくくなっています。これからの50年、科学を取り巻く情勢そして科学自身も極めて不透明である、というのが科学に携わる者の実感です。その不透明さを反映してか、若者の科学離れも心配です。

現在の科学および科学を取り巻く環境は50年前とは大きく異なりますが、50年前、物性研究所設立時に多くの人がこれからの科学について思いをはせたと同様に、これから50年の科学について議論し、夢を語り合うことは大変有意義と考えます。

東京大学物性研究所では創立50周年を記念して、「これから50年の科学は?」と題してパネルディスカッションを企画しました。

このパネルディスカッションでは、科学を広い立場から見てこられた先生方、物性科学の研究者でも特に科学について高い見識をお持ちの先生方にお集まりいただき、これからの50年について気楽にざっくばらんにお話しいただければと思っています。また、この50年を研究者として過ごしてこられた方や将来を担う若い方をはじめとする参加者の皆様との議論を通して、これから50年の科学について霧の向こうにあるものを色々と思いめぐらすことのきっかけとなることを期待しています。 

 
物性研究所創立50周年式典

日時:平成19年11月30日(金)15時30分〜16時30分
場所:六本木 政策研究大学院大学 想海樓ホール

式次第:作成中
 
物性研究所創立50周年祝賀会

日時:平成19年11月30日(金)17時30分〜19時30分
場所:赤坂 ANAインターコンチネンタルホテル