現在、大型の放射光施設であるSPring8やフォトンファクトリーをはじめとし
て、わが国の複数の放射光施設では、真空紫外・軟X 線ビームラインの更新やエンドステーションの整備が進められている。これらの新しい実験ステーションでは、最新の技術を用いた光強度の増強、偏光特性の向 上、波長領域の拡大や高エネルギー分解能化などにより、新物質や新物性の研究のための新しい実験手法が利用でき、精密な測定ができるようになると期待され ている。しかしながら、整備計画と研究計画は各放射光施設が独自に立案し、各施設の関連研究者と議論を行っているのが現状であり、日本の放射光物性研究全 体をみわたした検討はあまり行われていない。そこで、本短期研究会では、最先端の放射光利用研究および放射光施設の整備状況と計画の報告を行い、日本の真 空紫外・軟X線光物性研究の将来を検討する。
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