東京大学高輝度光源計画
加速器の概要

分散関数、ベータ関数の補正の効果

  分散関数を補正するとリングの対称性が回復し、ベータ関数を補正すると長直線部の透明性が回復する。

<分散関数の補正の効果>

  分散関数を補正すると、ノーマルセルの対称性が回復する。下図はノーマルセルのチューンの進みの統計的な分散を運動量でプロットした図である。

すなわち、マッチングセクション(8カ所)を除くと、完全なノーマルセルは20セルあり、各セルのチューンの進みと20セルの平均値とのズレの大きさが、いわばリングの対称性を計る指標となる。

  CODのみ補正しても、リング全体の対称性は回復しないが、分散関数を補正することで、対称性が回復することが分かる。なお、完全に24回対称の円形リングであれば、理想的な場合にはdP/Pがあってもノーマルセルの対称性は確保されているが、透明部分を含んでいるため、理想的な場合でもdP/Pがあれば対称ではなくなる。(4回対称ではある。)

<ベータ関数の補正の効果>

  ベータ関数を補正すると、長直線部の透明性が回復する。下図は弧部分の2m直線部の垂直方向のチューンの進み(透明チューン)をプロットしたものである。CODと分散関数を補正すると、対称性が回復するために「透明チューン」という値が意味を持つようになるが、透明性は回復しない。ベータ関数を補正することで、透明性が回復し、dP/P=0の時のチューンが0.5に戻る。(実際には29m直線部の方が遙かに荒れやズレが激しいので、そちらの方が重要である。)


Updated on Friday,19,Jan,2001

SOR施設加速器部門


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