shear cell設置に関して


<必要なもの>
保管場所;フライトチューブ用ポンプ部屋裏

  • Rheometer本体(中性子用shear cell認識のためのToolmaster connectorが付いている)
  •  

  • Shear Cell架台
  •  

保管場所;実験準備室

  • Anton Paar社製 温調機器 TC30
  • PCと電源
  •  

  • Rheometerステージ  C-CTD200/SANS
  •  

  • Rheometer専用木箱(水平器や六角レンチが入っている)
  •  

  • 肌色のプラケース(石英製Shear Cell等が入っている)

   石英製Shear Cell ME48/GL(cylinder, beaker, glas tube, Solvent trap)
   Flow meter unit(Cooling, Heating)
   真空グリース

   

  • 黒いチューブ(圧縮空気関係に使用)の入っている箱
  • フィルター兼ドライヤー
  •  

予めShear Cell設置に必要なクレーンの要請をする。(東海技術補佐員へ)
また、レーザー使用(光軸合わせに使用)に関して技術補佐員へ問い合わせておくとよい。(保管場所や使用許可等)
フライトチューブ用のポンプ室の裏(Shear Cell仮置きをしているところ)で、以下の設置前準備を行う。

設置前準備

<架台への設置>
 RheometerをShear Cell架台に乗せる。(Shear Cellは重いため、必ず2人以上で作業すること) このとき、架台に付けられた枠と4本の棒は取り外す。(取り外さないとRheometerが乗らない)

<配線>
 Rheometer正面より向かって左側にあるShear Cellの電源コンセント(黒の線)をつなぐ。このとき、Rhometer制御PCと温調への接続線(グレイの線)の2つも付けておくとよい。(Shear CellをSANSの試料台へ乗せると、Rheometerとフライトチューブの間隔が狭く、設置後に付けることが困難であるため、この3つの線は予め付けておくとよい) 電源は機材室の延長コードを使い、SANS試料台付近の物性研の電源を用いる。このとき、コードが通行の邪魔にならないよう配慮する。

 圧縮空気の配線を行う。圧縮空気はSANS試料台付近の青色チューブを用いる。そのチューブに機材室にある延長チューブを取り付け、フィルター兼ドライヤー(以下ドライヤー)につなぐ。ドライヤー上部に空気の方向を示す矢印記号→が付いているので、その向きにあわせて配線を行う。

ドライヤーの空気の出口にRheometerへの接続チューブ(Y字になるよう分岐の付いている黒いチューブ)をつなぐ。Y字の分岐の先の何も付いていない方はRheometerの裏に番号が上から振ってある接続口1番に接続する。もう一方の金属の付いている方は、取手下の右側の接続部位に取り付ける。このとき、図のようにFlow meter unit (CoolingとHeating) の接続、チューブの取り付けをしておくと試料台へ設置後の操作がスムーズに行く。

 

Rheometerの湿気取り>
 長時間段ボールで保管されたRheometerの内部は乾燥しており、エアベアリングの部分を乾燥させるために、予め、空気を送る必要がある。Rheometer設置1時間以上前より、圧縮空気をRheometerへ送る。
・方法
 Rheometerの電源を入れ、Rheometer画面のstatusがO.K.になっていることを確認する。移動直前まで空気を送り、移動前に電源を落とす。ドライヤーへ接続したチューブはドライヤー側を一旦取り外し、電源コンセントの電源側を取り外す。(注意;Rheometer側のコンセントはつないだままにする) 接続線は、Rheometerに巻き付け、移動の邪魔にならないようにする。
架台に4つの棒と枠を取り付け、移動に備える。


RheometerのSANS試料台への設置

Sample Changerの取り外し

 Sample Changerを取り外す。このとき、フライトチューブ上流の中性子入射部(シリコン窓枠)に保護板をかぶせ、衝撃に備える。また、安全のため、駆動部のX, Z軸のモーターの電源を落とす。(SANS-U MAIN RACKの X Stage DriverとZ Stage Driverの電源OFF)

Sample Changerは試料ホルダー入れと駆動部に分けて取り外す。モーター2つとリミッター3つも取り外す。このとき、配線に負荷のかかっている部分の線が切れないよう、細心の注意を払う。試料設置台は試料台付近の台に乗せ、駆動部は線を踏まないよう、下に置く。このとき、鉛の台を用いるとよい。(因に、Sample Changerの駆動部にはCenterピンはなく、4つのネジで支えている。駆動部と試料設置台は4つのネジで止められるようになっているが、対象位置にある2つのネジにより固定してある)

Rheometerの移動・設置
 クレーンにより、Rheometerをつり上げ、試料位置へ移動させる。試料位置は狭いため、上から設置はできず、横からスライドさせてサンプル位置に持っていく。
 Rheometerの架台にはCenterピンと4つの固定ネジがある。4つの固定ネジは、Sample Changer設置時のネジ位置より、Gonioを-45.0 degreeだけ動かしたところにあるため、Rheometer架台設置前の試料台に何も乗っていない状態で移動させる。Gonio移動時は細心の注意を払う。Gonioの移動は試料台に何も乗っていない状態で行う。(Sample Changer等が乗った状態でGonioを回転させると、フライトチューブの窓を破る可能性があるため。また、暴走時の危険を回避するため。Gonioが暴走した際や、間違って動かした際はEmergencyボタン(Control PC上のSANS-U Navigator画面左上)を押すことによりstopさせる。) Centerピンにはまるよう架台を設置後、4つのネジで固定する。

Sample ChangerのZ軸モーターへのコネクタ(プラ製の黒く四角いコネクタ)をRheometerモーターへ接続する。また、Z軸のリミッターのコネクタ(金属製の円形状のコネクタ)をRheometerの後ろ側の接続部位に取り付ける。Z軸のモータ(Z Stage Driver)の電源のみONにする。X Stage DriverはOFFのままにしておく。(モーターに関しては今後変更の可能性あり)

架台の枠を取り外し、配線・ステージの取り付け・設置を行う。

配線
Rheometerに圧縮空気を送る。このとき、延長チューブは用いず、直接試料台付近の青色チューブをドライヤーにつなぐ。設置前準備と同様に圧縮空気の配線を行う。
Rheometerに電源を入れ、立ち上げる(正面に向かって左側面に電源がある)。
Rheometer画面のStatusがO.K.になったら、Onlineを押し、緑色のランプを点灯状態より消灯状態にする。(緑点灯;PCによるリモート操作、消灯;Rheometerの直接操作) ▲を押して リフト位置(治具接続モーター部位)を上げ、スポンジの付いた木製スペーサーを取り外す。(このとき、リフト位置が上がるまで時間がかかるが焦らず行う) 治具接続部位を白い円筒を被せ、保護する。
Rheometerの正面左より出たPCコントロールの線をPCへ接続する。


SANSShear Cellのステージの取り付け>
 本体のステージ設置部の凸部に、ステージ裏の凹部がはまるように設置する。このとき、3つのネジで本体とステージを固定する。

CoolingとHeatingの接続チューブ2本をステージ下の接続部位に取り付ける。Heatingが上の端子、Coolingが下の端子であることに注意! プレートから出た3つの線はAnton Paar社製の温調機につなげる。接続はコネクタの形状を見て行う。また、Rheometerの電源付近に取り付けた温調コントロールの配線も行う。配線後、温調機の電源を入れる。

ステージの温調部位に青色のOリングが取り付けられていることを確認する。その上から、温調用外側カバーの石英製カバーガラスを取り付ける。その上に青色のOリングを乗せた後、金属製のねじ込み式の中蓋をはめ込む。その上から、空調用の白色のリング状カバーを取り付ける。(取り付け順;Oリング→カバーガラス→Oリング→金属蓋→白色リング)

石英カバーと外の金属の間に熱電対がある。

 

Shear Cell位置調整と水平取り

 shear cellの脚3本が、架台の3つのくぼみにはまるよう移動させる。レーザー(水平方向と垂直方向に直線状のビームが出る。予め、技術補佐員の方に交渉して借りておく。)またはトースカン(試料台付近にある)により、光軸合わせを行う。(光軸はフライトチューブにけがいている水平線より1.5 mm下に会わせる(レーザー使用時)か、Beam Slitの中心に会わせる(トースカン使用時)) このとき、beamがステージの窓枠のほぼ中心にくるように、shear cellの脚を調節して高さあわせを行う。同時に、水平器により水平をとる。

Rheometerの立ち上げと調整

  • PCの電源を入れる(password pcp429)
  • ステージにShear Cellの外筒を取り付ける。取り付け前、Shear Cell外筒の外側の底面と、側面の下から5mm程度の部分に、固定用の真空グリースを塗る。取り付け後、外筒を手で回転させ、固定できているかどうかを確認する。(回転するようであれば、グリースが足りないため、取り外して塗り足す)
  • デスクトップのレオプラス(またはレオプラス310, Rheoplus, Rheoplus310のいずれか)のアイコンをダブルクリックし、立ち上げる。
  • 立ち上がった画面の「ファイル」より「新規作成」を選択し、測定条件を選択しOKを押す。
  • コントロールパネルを立ち上げ、初期化を行う。
  • コントロールパネルの温度の部位に「0 °C」と入力後、「設定」をクリック。この操作を怠るとゼロギャップの設定後、温度Errorが起き、「-----C!」と表示され、以後の操作ができなくなるので注意。Errorが起きた際は慌てず、リフト位値を100付近に持っていき、内筒のcellが外せるようにしておくとよい。(Onlineを切り、Manual操作でリフト可能であるが時間がかかるため、焦燥感を拭うための措置) それから必要に応じて、各装置初期化等を行う。
  • コントロールパネルの「サービス」のタグを選択し、イナーシャの決定(ドライバ)を行う。決定後、上書きする。
  • 内筒を取り付ける。接続部のマークの線と、治具のマークの線が直線になるよう接続。
  • イナーシャの決定(測定治具)を行う。決定後、上書きする。
  • コントロールパネルのタグを選択し、ゼロギャップの設定を行う。
  • リフト位置を1mmに設定後、コントロールパネルの設定のタグを選択し、モーターの調整を選択する。「デフォルトの設定」と表記されている部分より、「長時間の設定」を選択し、「開始」をクリックする。上書きを選択後、約15分間のモーターの調整が開始される。
  • 調整後、コントロールパネルを閉じ、測定画面を立ち上げる。
  • インターバル1の上でダブルクリックし、上の回転のオンにチェックを入れる。
  • 速度を0.3 1/min一定で、2秒間隔、50点(計100秒)の測定条件の設定を行う。
  • 開始ボタンを押した後、グラフの縦軸をトルクM、横軸を角度にし、空気測定の結果が±0.1 mNm以内に収まっているかの確認を行う。
  • 水の測定を行い、粘度が1 x 10^-3 Pa・sになっているかの確認を行う。

→実際は、200 s^-1より高剪断側において、粘度値が剪断速度に比例して増大し、1 x 10^-3 Pa・sよりズレてくる。これは、内筒が重いことに由来しており、イナーシャの補正が上手く行かなくなるためであるとのこと。Rheometerに関する質問はAnton Paarの平野さん(03-6718-4460)へ問い合わせてください。

 

Shear cell取り付け・取り外し

Shear cellは外筒と内筒とがある。

<取り付け>

外筒を取り付けた後、内筒を取り付ける。
外筒は底面と下から5mmほどの壁面に、固定用真空グリースを塗り、所定の位置に取り付ける。取り付け後、外筒を手で回してみて固定の確認を行う。回転するようであれば、グリースを塗り足す。

内筒は接続部位の金属カバーを上げ、接続の目印の線と、内筒の金属部位の線が直線になるように接続する。金属カバーを下げ、認識の電子音がなることを確認する。内筒接続時、必要に応じて蒸発防止のためのプラ製蓋を用いる。

<取り外し>

内筒は内筒取り付け部位のカバーを上に持ち上げて取り外す。このとき、一方の手で内筒を下から支え、もう一方でカバーを持ち上げる。取り外しにくいときは、特に注意して取り外す。

外筒は2本の専用の細長いネジ状金具により取り外す。外筒はネジ金具をステージの穴2カ所にねじ込むことで浮く機構になっているので、左右均等に偏りがないようねじ込むことで、取り外すことができる。左右に偏りがあると割れる可能性があるため、細心の注意を払って取り外すこと。

Beam center出し

Sample ChangerのZ軸を動かし、centerを出す。値を大きくすると、tangential側に近づき、小さくするとradial側に近づく。1,000 pulsが1 cmに相当する。移動にはSample ChangerのZ軸の値を変える(radial Centerは40.0 mm付近)か、Control NavigatorのLockを解除してSample Changer Zのpuls値を設定後、Driveを押して設定する。後者は、Driveを押すと、他の設定までずれる可能性があるため、細心の注意を払う。(特にGonio)

Tangentialの測定のためのスリットや光学調整のための工夫が必要。
→レオメータの回転振動が伝わらない位置にCd製可動式スリット(1 mm以下の幅)を設ける。そのスリットは、できるだけSample位置に近い部分に持っていけるように設計する必要がある。また、同時にradialの測定が可能なスリットにする必要がある。

 

Rheometerの撤去

予めShear Cell撤去に必要なクレーンの要請をする。(東海技術補佐員へ)
測定終了後、Shear cellの内筒と外筒を取り外す。内筒接続部位の保護のため、専用の白い円筒を取り付けて以下の作業を行う。

 

・PCの電源を切る。
・Shear Cell固定と温調の役目を果たすステージを本体から取り外す。
  まず、温調の電源を切り、接続線を取り外す。
  CoolingとHeatingに接続している黒いチューブを取り外す。
  ステージ固定のためのネジを取り外す。(3カ所)
  ステージ取り外し後、ネジを元の場所にねじ込んでおく。(なくさないようにするため)

 

先に取り付けた内筒接続部位保護のための白い円筒を取り外す。
スポンジの付いた木製スペーサーを所定の位置に置く。
RheometerのOnlineを切断し(緑のランプを消灯状態にする)、▼を押して、スペーサーを固定する。(動かなくなるまで押す)

Rheometerの正面左側面にある主電源をOFFにし、各種線を取り外す。
取り外せなかった線は、Rheometerに巻き付け、クレーンによる移動の邪魔にならないようにする。
Sample Stageの電源をOFFにし(SANS-U MAIN RACKの X Stage DriverとZ Stage Driverの電源OFF)、モーターとリミッターを取り外す。

架台に枠を取り付け、移動に備える。
移動
移動後、架台の枠と、各種線を取り外し、Rheometerを保管用段ボールに移動させる。Rheometerは重いので、2人以上で移動させる。
段ボールに入れたら梱包する。

付属品はそれぞれ所定の位置に戻し、終了。
おつかれさまでした。

 

shear cell設置完成図