MINE 多層膜中性子干渉計/反射率計

[English]
概要
 本装置は、改造三号炉冷中性子動管実験孔C3-1-2に設置された極冷中性子
干渉実験装置であり、入射用の極冷単色中性子ビームを作るためのモノクロメー
ター装置及び測定部である反射率計、スピン干渉計及び Mach-Zender 型多層膜
干渉計とにより構成される。
 モノクロメーター装置は、4枚の Ni/Ti 多層膜ミラーから構成される。4回の
連続的なブラッグ反射により、波長 12.6 Å波長分解能 3.5 %の単色中性子ビー
ムを得ると同時に23度曲げて実験装置に導く。
 反射率計は垂直配置のもので、鏡面基盤上に形成されたミラーシステムに適用
できる。長波長のため、Low q 領域の測定あるいは Off-specular ん射の研究に
適している。
 スピン干渉計は、異なったスピン固有状態の重ね合わせあるいは偏極中性子に
よる干渉実験を一般的に可能にするもので反射率計飛行管部に設置される。
 Mach-Zender 型多層膜干渉計は、光学素子として多層膜ミラーを用いるため、
長波長中性子による干渉現象が観測できること、光学素子として磁気ミラーを利
用できること、寸法的自由度が大きいことなどが特徴である。
 三つの装置は同一のビームを使用するが、配置の簡単な変更によりタイムシェ
アリングして利用される。反射率計及びスピン干渉計は一般共同利用されている
が、Mach-Zender 型多層膜干渉計は特性試験中である。
仕様及び性能
	モノクロメーターシステム	:中性子波長 12.6Å;波長分解能 3.5%
					 ビームの曲がり角度 24度
					 有効ビーム断面 3 mm(W) × 40 mm(H)
	反射率計			:q-レンジ 0.004 〜 0.12 (1/A),分解能 3.5%
					 反射率測定範囲 10-5以上
					 典型的なビーム強度 1000/sec
					 (発散角 1/2500,ビーム断面 1 mm × 36 mm)
					 試料条件:寸法 100 mm × 100 mm 以下常温、常圧
	スピン干渉計			:試料ゴニオ:2台、スピンフリッパー:3台
					 スピンプリセッション測定:可能
					 位相エコー、スピンエコー:可能
	Mach-Zender 型多層膜干渉計	:干渉パターンのコントラスト:約 1.5 %(改良中)
					 コントラストの安定性・・・

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