2011/4/14: 震災後のJRR-3の復旧状況ならびに共同利用の見通しについて
1 施設の状況(短・中期的な復旧見通しなど, 施設としては、開放研と合同で毎週、復旧対策連絡会議を開いております。3号炉および装置群の被害状況、復旧見通しについては以下の通りです。 非公式見解ですが、来年2月の再稼働をめざして3号炉の復旧が進んでいます。また、テクニカルに復旧したとしても、運転免許許可がおりるかどうかは国の判断によるとのことです。装置群については、炉室ならびにガイドホールとも、今のところ大きな被害は認めらませんが、装置に通電し、動作確認をしないことには判断出来ない状況にあります。ガイドについては、5月連休明けにクレーンが復帰し、ガイド管の真空チェックなどが始まります。炉室については、換気等の問題があり、まだ未定とのことです。
2 施設としての中性子ユーザーに対する支援計画(国内採択課題の割り振りや,旅費サポート等)
平成23年度の採択課題を正式決定し、4月13日、勝村本部長より採択通知を出したところです。しかし、3号炉復旧の目処が立っていないので、実施は難しい状況です。一方、海外から多くの暖かい支援の申し出をいただいています。これに応じて、学術的意義の高い課題や緊急課題の実施を考えており、装置責任者を通じて、候補となる課題を推薦していただいています。推薦課題についてはJAEA課題(担当:加倉井量子ビーム研究部門副部門長)と調整し、HANARO、ANSTO、その他の施設に緊急課題として今月末を目処に推薦する予定です。
ユーザーの皆様には大変、ご迷惑をおかけしますが、ご理解と御協力を御願いします。

2011/3/23: 中性子散乱全国共同利用関係者各位
新聞・テレビなどの報道等でご存知の通り、3月11日の東北地方太平洋沖地震により、東北・北関東地方において甚大な被害がでました。東海村も被災し、数日前までライフラインも寸断されていました。JAEAでは建物の倒壊の危険性などから今でも立入禁止が続いている状況です。JRR-3そのものは大きな損傷を受けていない様子ですが、ガイドホールの地盤沈下などが目視できるほどです。
JAEA内に設置されている中性子散乱装置群については、震災直後に立入調査した限り、大きな被害をうけていないようですが、中性子ビームのアライメントやガイドホールへの中性子導管などに大きな被害が出ていることが予想され、詳しい調査をまたなければなりません。 昨日、JAEA原科研所長名で利用者に対する公式見解が配信され、JRR-3の再稼働までにはかなりの時間を要するとのことです。
以下、引用文
ーーーーーーーーーー JAEA原子力科学研究所長より、今回の東北地方太平洋沖地震についての、
利用者へ対する公式見解が配信されましたのでお知らせ致します。
下記、URLに掲載されておりますのでご参照下さい。
とうぞ、宜しくお願い致します。
取り急ぎ、ご連絡申し上げます。
ーーーーーーーーーー 引用文、ここまで

物性研中性子科学研究施設としては、一日も早い復旧を願い、関係機関とも連携して全力で対応していきますとともに新しい情報が入り次第、皆様にはご案内いたしますが、来年度の共同利用に少なからず影響がでることは必至と思います。
中性子散乱全国共同利用の皆様には、多大なご迷惑をお掛けしますが、ご理解を御願いする次第です。
東京大学物性研究所
中性子科学研究施設
柴山充弘

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